ピアノ(神童拓人)




喜多達と別れた俺はまっすぐ音楽室へと向かった

音楽室は俺にとって新鮮で心が和む。特にピアノに触れてる時は何も考えずにいられるのだから


「.........ふぅ」


パチパチ


「!?」
「神童君、ピアノやってたんだね」
「びっくりしたよ。聞いていたんだな」
「うん。あ、黙って聞いててごめんね!!」
「いや、別に構わないさ」
「それにしても本当に綺麗な音色だね」
「あぁ。俺はこの音色に誘われてピアノを始めたからな」
「そっか。あ、でも神童君はサッカーも好きなんでしょう」
「もちろんさ。いまでも霧野とはたまにサッカーをするんだ」
「霧野君って神話科の?」
「あぁ。あいつは俺の親友であり幼馴染だからな」
「そうなんだ.......」

それから風見とたくさんの話をした。中学の話やホーリーロードの話、喜多達と試合をした話など.....

「神童君も大変だったんだね」
「大変だったがあの時は本当に楽しかったよ。喜多達と練習試合をしたりね」
「そっか........いいなー神童君達は」
「そうかな?そういえば風見は弓道やってるんだよな」
「うん。中学の時もやってたの」
「そうだったのか。そういえば、弓道もチーム戦とかあるんだろ?」
「そうだよ。チーム戦で優勝した時は本当に嬉しかった」
「すごいじゃないか!やはり優勝するといいよな」
「うん!また取りたいな」
「今回もあるんだろ、大会」
「うん。.........でも、私は個人だから」
「.........そうか」
「うん........」

俺はなぜか風見に『頑張れ』と言えなかった。だから、俺はその代わりにピアノの音色を風見に聞かせたくて引き始めた

「神童君.......」
「俺にはこんなことしか出来ないからな」
「..........ありがとう。神童君」


________

「すまなかった。こんな時間になるまで音楽室にいて」
「そんなことないよ。神童君のおかげで元気でたしやる気も出たからね」
「なら、よかった。..........祐奈」
「!神童君......」
「あ、いや..........喜多や西野空が風見のこと名前で呼んでいたから///嫌だったか?」
「そんなことない!寧ろ、呼んでもいいから」
「よかった。あ、俺のことも名前でいい//」
「じゃ、拓人君って呼ぶね」
「あぁ」

祐奈と別れた俺はまっすぐ自分の部屋に入る。そのまま倒れるようにベッドに身体を預ける

「祐奈..........。ダメだ。こんな感情を持ったら」

俺は祐奈に恋愛感情を抱いてる。だが、この気持ちを祐奈に伝えたら祐奈が困るんじゃないだろうかと考えてしまう

「ふぅ.........寝よう」

そのまま俺は布団の中に入り眠りについた





(この気持ちを祐奈に伝えたい)
(拓人君.........)





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