おとなりさん
部活動もマネージャー業も終わり、マネージャーの子達で体育館を出ると、キセキの世代メンバーがいた。

「あれ、大ちゃん、何してるの?」

「いや、皆でどっかメシ行こうと思ってたんだが、なかなか場所決まんねーんだよ。お前らも来るか?」

さつきちゃん以外の、私含むマネージャー達皆は遠慮しておきまーす、と言い部室に向かう。
マネージャーは私みたいなミーハーはおらず、みんな男の子にむしろ無関心、もしくは彼氏持ちの子達ばっかだ。

「なまえさんは行きますよね?」と黒子っちに体操服を捕まれた。

黒子っちは座っていて私は立っているため、黒子っちの上目使いを受けて断れるわけがない。

『行きます行きます』

「ならさっさと行くから早く着替えてきなよ、桃井も。」

「俺たちは門の所で待ってるッスからねー!」
と言い、キセキ達は出て行った。

「いいないいなー!私も黒子くんの上目使い見たかった!」

『ああ、あれはヨダレもんだよ。』

着替えて、門に向かうと色とりどりな頭が見えた。

『ほんと、あいつらカラフルだな。』

「お前ら、はえーな。女ってもう少し準備とかさ、」

「青峰っち、それは言っちゃダメっす。」

雑談を広げながら着いたところはマジバ、だ。

『あ、100円しかない。んー、シェイクだけにしよっかな。』

「僕が出すよ。」

『いやいやいや、赤司くんに今ここで借りを作ると後が怖い。』

「そこは素直に甘えておくのが女の子ッスよ。」

『ここで女の子演じてもなぁ、果たして素直に奢られるのが女の子、というものなのか?』

「ふっ、君は本当に飽きないよ。」
そう言いながらも赤司くんは私にシェイクとハンバーガーとポテトを奢ってくれた。

「赤司が誰かに物を奢る、なんて見たことが無いのだよ。」

「僕もです。」

『ああ...あとが怖いよ。』

皆で雑談を繰り広げていると、もう2時間もたっていた。

「そろそろ帰るか。」

「そうだねー。あ、でも最後にアップルパイ買って帰るー。」

『むっくん、よく食べるねー。』

「なまえ、家、どこなの?」

『イオンモー●の近くなんだよね。だから徒歩10分くらい。』

「僕と近いね。じゃあなまえは僕と一緒に帰ろうか。」

『え』

「先に失礼するよ、お疲れ様。」

「お疲れー、また明日な。」

「なまえっち、ばいばーい!」


そんなこんなで帰路につく。

無言。
何をしゃべればいいか、さっぱりなのだよー。
早く家つかないかなー、あ、見えてきた。

「なまえの家、どこなの?」

『ああ、今見えると思うんだけど、あのピンクの屋根。』

「...もしかして庭にプールのある、あの外国チックな豪邸?」

『豪邸ってほどでもないけど...うん。あの変な家。趣味悪いでしょ?』

「そうだね。...僕の家はその右隣の和、の家だよ。」

『え?!お隣さん?!ってかめっちゃ豪邸じゃん!あの家も!』

「そうでもないよ。そっか、お隣さん、か。何で今まで会わなかったんだろう。でもなまえの家って、半年前くらいに建てたからそんなに経ってないか。これからモーニングコール、じゃなくて家行った方が早いね。」

『うん、そうだねって、ええ?!!それは嫌!赤司くんに寝顔見られるなんて!部屋見られるなんて嫌!無理!』

「いつも寝顔以上の醜態を見てるから大丈夫だよ。じゃあ、明日7時に行くよ。」

そういい、赤司くんは自分の家に入って行った。


まじか...!!!!

fin


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