それからというもの、黄瀬に絡まれる絡まれる。
今日も美月のクラスに遊びに来ていたらどこからか奴が現れた。
「なまえっちー!」
隣の美月は私の脚を思いっきり踏んでいる、いや、踏みつけている。
「何なのアレ?どういう事があったの?10文字以内で説明しろ。」
『なつかれたみたい☆』
「死ね。」
私は美月と黄瀬から逃げるために中庭に向かった。
のがまずかった。
目の前でイチャコラしているカップルがいる。
「おい、何見てんだよ。」
あ、何だっけこの人。有名なヤンキーじゃん。やらかした。
『すいません、犬と魔王から逃げてきたらここに出てしまって。今すぐ消えるんでそんな睨まないでください。続けてください。』
「はっ、冷めるもんも冷めたわ。」そう言い、彼は彼の膝の上に座っていた女を地面に落とした。
「いたっ、何すんの灰崎!」
ああ、そんな名前だったな。
「消えろ。」
凄みのある声で言った彼に対し、彼女は私を睨みながら去った。
おっと、私もこんな所で傍観している場合じゃねー、去らなければ、と体を起こすと灰崎に体を引っ張られた。
そしていつのまにか、さっきの彼女がいたポジションに私がいる。そう、膝の上。
『何するんですかね。』
「何ってナニをするんだよ。」
『まじか。』
私は思いっきり息を吸い、叫んだ。
『たすけてーーー!!!』
すると、中庭なこともあり、1階から4階までの教室全部から顔が出てきた。
あ、やらかした。すっげー恥ずかしい。
「っうっせーな、お前っ...」灰崎は耳を押さえている。
「なまえ!!」と叫んだ髪が青い男の子が2階から飛び降りてきた。
2階から。
「あ?てめー、青峰の女か?」
『違う!女じゃない!俺の嫁、だ!』
そう言うと、灰崎は頭にハテナを浮かべているし、青峰も「はぁ?!」と言っている。
『とりあえず嫁!俺を助けろ!』
「あっ、ああ...よっと。」彼は私を灰崎の膝の上からいとも簡単に持ち上げる。
持ち上げられた瞬間、私は青峰に抱きついた。
今しかない!青峰に抱きついてくんかくんか出来る時は!!!
すると、
「何をしているのかな?」と頭上から。
赤い髪色の男の子も2階から飛び降りてきた。
お前ら何なんだ。
青峰は「離れろっ!殺される!」と言い私を引き離した。
『赤司くん!灰崎くんが私を犯そうとしたの!』
「あ?まだ未遂じゃねーか。つか、こんな女犯したくもねーよ。」
「それには僕も同意だね。」
「ああ、俺もだな。」
『お前ら死ね。何しに来たんだホント』
「楽しそうだなぁって思ってね。じゃ、なまえ、教室戻るよ。」
赤司くんは私の手を繋いだ、と同時に私は手をバッと勢いよく離した。
「そんなに僕と手を『うわああ!!!赤司様が私の手を繋いだ!わあああ!どうしよう!』...」
「...早くいくよ、あ、それと青峰は今日の部活、楽しみにしておきなよ。」
「?!俺、とばっちりじゃねーか!」
今日も平和、です。
fin