部活が終わり、選手たちが部室に戻ったり、自主練をする中で、私たちはタオルを選択したり、スコアの整理などをする。
今日の私はドリンクのボトルを洗う係だ。
さすがに1軍だけでも、部員数は多く、一度に持てないので何往復もする。
そして最後のケースを持って、外の洗い場に行くと黄瀬っちがいた。
「あ、お疲れ様ッス〜」
『いやいや、君らに比べたらなんてことはないよ。』
私は30本ほどあるボトルを一つ一つ洗っていく。
あー、今日は家帰って見たい番組見れないなぁ〜。
『ねぇ、黄瀬くんってさぁ、NE●Sの手越くんとあった事ある?』
「え、急になんスか?会った事...ないッスねぇ。」
『そう。』私は返事だけをし、また手を動かす。
何度も言うが、私は黄色い人に興味が無い。
だから隣で頭洗ってようが、水も滴るいい男だろうが私にとっては死ぬほどどうでもいいのである。
「なまえちゃんってさぁ、他のキセキの世代にはミーハーなくせに俺に関しては無関心、ッスよねぇ?」
『あ、バレてた?』
「バレバレっすよ。」そう言い、黄瀬は私に近づいてきて、壁に追いやった。
あ、これが今はやりの壁ドン。
「....こんな事しても無表情って、」
『スイマセン。』
「何で、興味ないの?」
あ、〜ッス語調が消えた。
『うーん、よく分かんないけど多分、その本性とか隠してるじゃん?多分、それで萌えないんだと思う。あとねー、顏?なんかいかにもなアイドル顔、だし。』
そう言い切ると、黄瀬は下を向いた。
『あ、やべ。怒った?』
「っ..なまえっち、最高っす。」
そう言い、私を抱きしめてきた。
一体今のどの辺が最高だったのか、私には理解できない。
こいつ青峰よりアホなんじゃねーか?
『とりあえず、仕事できないからのいてくれないかなー?』
「嫌っス!!!」
『そっか。』私は思い切り、黄瀬の黄瀬を蹴りあげた。
「いっだあー!!!」
そりゃあ痛いだろう。ごめんね、黄瀬っち。
すると赤司くんが見えた。
どうやら今の一部始終を見ていたらしい。
「涼太はアホだね。」
『そうみたい。』
そして再び、涙目でモノを抑えている黄瀬っちを横目にボトルを洗い続けた。
fin
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bkm