俺はなまえは好きだが、真ちゃんといるなまえが好きでなかった。
『ねぇ!高尾君!聞いたよ!この前、真ちゃん連れて合コン行ったって!』
「だからなまえ、あれは無理矢理だったのだよ。」
『もう〜、これっきりだからね〜。』
そう言って、緑間は飲み物を買いに、屋上を離れた。
「...何でダメ、なんだ?」
『高尾君?』
俺は彼女を壁に押し付け、胸ぐらをつかんだ。
自分でもこんな低い声が出るんだ、って思うぐらいに低い声で、
「なまえってさぁ、本当に分かってないの?絶対どこかで知っているよな、真ちゃんがなまえの事、好きって事、」
俺は女の胸ぐらをつかんだのは初めてだった。
しばらくして、俺の手に彼女の涙が流れた。
なまえの顏を見ると、顏を真っ赤にして下を向いていた。
マジかよ、本当に、全く無自覚、だったのか。
それだったら俺はとんでもないことをしてしまったかもしれない。
俺は心のどこかで、なまえが気づいている、という確信を持っていた。
消え入りそうな声で彼女は言った。
『そんなの....絶対..ない..よ..』
そこに真ちゃんが戻ってきた。
「なまえ?!」
彼女は真ちゃんの横を走って通り過ぎた。
「真ちゃん、ごめん。」
fin
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