『へぇー!オッドアイ!それ凄い!なんか中二病みたいでかっこいいね!』
前の席に座っていた女の子が俺の顏をマジマジと見つめてきた。
「殺されたいの」
『おいおい言う事も中二とかそれやばいよ。ってあれ、そっか。私たちまだ一年生だから大丈夫か。』
そして俺は鋏を取り出した。
『嘘です嘘ですごめんなさい。調子乗りました。』
「許されると思ってる?」
『え!許してくれないの?!』
「許さないよ、その代わり罰としてバスケ部のマネージャーね。」
『は?!何言ってんの?!ほら!私忙しいし!』
「帰宅部で友達誰もいないのに?」
『うっ...皆、私の可愛さに恐れ多くて近寄らないのだよ。ごほん』
こいつ自分が変人だから、ってことには気が付いてないのか。
「死ね。じゃあ決定。今日からね。行くよ。」
そして腕を引っ張った。
『は?!!無理無理無理!離せ!変態!』
「何?(黒笑)」
『ナンモナイデス。』
それからというものの、この女はとても面白い。退屈しない奴だ。
それが認めたくはないが、段々と、抱く感情が変わっていくのが分かった。
なまえが他の部活の仲間と話しているのを見るとすごくイラつく。
最近分かったのが、おそらく緑間もなまえの事が好きだ。
俺は早く自分のモノにしたかった。
なまえは少なからず、俺に好意を抱いているようだったが、確信がもてなかった。
部活帰りに一緒だった帰り道に、俺はなまえの手を握ってみた。
『ちょっ何、気持ち悪い。』
とバッと手を離した。
ああ、俺の思い違いだったのか、と思ったけど後ろを向いたなまえの横顔ですぐに確信を持てた。
なまえの顏は真っ赤だった。
そして後ろから抱きしめ、俺はなまえの耳元でささやいた。
「好きだよ」
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bkm