5. まさか

最初、本当になんてキレイな目をしているんだろう、って思った。

けれどもその直後、すぐに目とは違って、心の中は悪魔だという事を知った。
人間って見た目だけじゃ、分からないなー。



マネージャーになったものの、赤司くんに苛められるわ、さつきちゃんと違って全然仕事は出来ないわ、で最初のころは毎日ヘコんでいた。


そんな時に真ちゃんはいつも、相談にのってくれて、私を助けてくれた。
真ちゃんだけじゃなくて、テツくんも大輝も涼太もむっくんも、皆、私を助けてくれた。
時に赤司くんも優しい表情を見せる時があった。
私はそのギャップにやられて、赤司くんの事が好きなんだ、と感じた。


段々とマネージャー業が楽しくなってきて、私は「やめたい」と口にすることはなくなった。
また、マネージャーというからには、勿論、選手を好きになるミーハーっていうのは思われたくなかったし、私はこの赤司くんへの想いをあきらめた。

赤司くんと一緒に部活が終わって帰っている時に、手を握られた時は本当に驚いた。
いつものごとく、私をからかってるのだと思った、私は泣きそうになり、強めに手を払いのけてしまった。

赤司くんが何も言ってこないことに少し怖くなるけど、今はそれどころじゃなかったし、きっと赤いであろう顏を見られたくなくて後ろを向いた。

ああ、なんだか、柄にもなく泣きそう。


「好きだよ。」

私の耳元でささやかれた言葉に声が出なかった。
私は頭がパンクしそうになって動けずにいて、赤司くんは私の手を引いて家まで送ってくれて、「また明日」って言って帰って行った。


次の日、真ちゃんに相談したものの、確かに自分が好きなら...うん、悩む必要ないか、と納得。
てか何自分。
なんか舞い上がって真ちゃんに自慢した、みたいじゃない?


今日の帰り道に返事を言おう。
そう決心した私は心が軽くなった。


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bkm
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