振り回される青峰くん
目を覚ますと隣にいたはずの愛しい彼女がいない。
またか...。

起き上がり、顏を洗いに洗面台に向かう。

そして隣から鼻歌が聞こえる。
俺はバスルームのカーテンを引く。
そこには泡まみれの浴槽に浸かっている俺の彼女、がいた。

『あ、大輝、おはよー。今何時?学校間に合う?』

「ああ、今8時だからギリだな。」

『そか。ん、大輝。』

そう言い、なまえは目をつぶり俺に顏を向けてきた。
そしてキスをした。深い深いキスを。
俺はガンガン盛りまくりの男子高校生なわけで、なまえの胸に手をやった。
その瞬間に、
『のいて。遅刻する。』
そういい、俺にシャワーをかけた。

ずぶぬれで、唖然とする俺を横目で見る彼女はバスタオルを体に巻き、こう言い放った。

『変態。』




そして俺はなまえと学校に向かう。
なまえはものすごく足がキレイで胸も大きい、だから制服を着ていてもとにかくエロい。

『あ、今吉先輩だ。』

「お、なまえ、今日も一段とエロい体してんの〜。キスさせてーや。」

『いいよ〜』

そう言い、彼氏がいる前で違う男とキスをするのがこの女、だ。
そしてどんどんキスが激しくなり、今吉の手はなまえの腰に手がいく。
俺がなまえを引っ張ろうとすると、なまえは自ら今吉先輩の手を叩き、離れ、
俺に深いキスをした。

『やっぱ好きな人とのキスじゃないと燃えないな〜。ね、大輝。』

「なまえちゃんには、ほんまに敵わんわ〜。」



教室まで歩いていると向こうから、さつきが現れた。

「おはよ〜。..今日もいいようにされてるね。さっきの見てたよ。」

「うっせ。」

「何で別れないの?」



一度だけ別れた時があった。

俺は付き合って1ヶ月が経った時に、自分勝手ななまえにあきれて別れを切り出した。

『そっか。分かった。』

例え一か月付き合った彼女といえど、そっか、で済まされたことに非常に腹が立ち、俺はすぐに彼女を作り、見せつけた。
その彼女は小動物みたいで可愛くて、今でいう森ガールだ。
なまえは美人で、いつも自分に似合った服装で、少しロックでセクシーな服を着ていた。
つまり逆なタイプだ。

そして二人で会っていた時になまえと遭遇した。
なまえは、すれ違いざまに鼻で笑った。

彼女と体を重ねても、心は何も満たされなかった。
この俺がなまえでしか欲情しなくなった事に気づいた。


ある日、屋上へ向かうとなまえと見たことある、サッカー部の部長がヤッていた。
俺は無性に腹が立ち、男を殴ると、男は出て行った。

「.....ちっ」

『ねぇ、もう少しだったんだけど。相手してくれるの?』
そう言うコイツは熱を含んだ顔で俺を見上げてきた。

ダメだ。敵わねーな。







そして今では付き合って1年がたった。

多分、今、なまえなしじゃもう無理だと思う。

なまえはどうなんだか知らないがな。

それでもヤッている時は俺に、愛しているだのなんだの言うようになったから、少しは俺の株が上がっているんだろう。

そう考えていたら、向こうからなまえが走ってきた。

『大輝ー!次サボろ!』


振り回されっぱなしだが、まぁ今は良しとしよう。

後のことは後で。



(振り回される青峰くん)
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