りつくん拾いました


仕事でヘトヘトになった身体を引きずって雨のなかアパートへ帰宅すると、玄関前にちょこんと座った黒猫のような少年。どちらさま?聞くと「名前はまだない」と答えるこいつヤバイぞ…。17歳くらいに見える少年は、行くとこなくて雨やどりしてたと言う。えぇ…だからって何で私の部屋の前?隣にも隣にもドアはあるぞ?

「おねーさん、泊めて」
「私はまだ捕まりたくないので…」
「これあげるから」

生まれて初めて見る生の札束に目玉落ちるかと思った。お金あるならホテル泊まればいいのに、なんで知らない人間の部屋に泊まるのか。「俺、寂しいと死んじゃうんだよね〜」猫じゃなくてウサギなのか?

実は零が海外に行ってしまったとき、凛月が一人で寂しく公園のブランコで泣いてたら声かけてくれたのが当時高校生だった自分だった。凛月はそれからずっと想っていて、ようやっと彼女を見つけたけどどうやって声かけていいか分からなかったから、とりあえず札束持ってきた。年の差恋愛はじまる。



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