たくさんあげるなら愛がいい
「かーなたっ、誕生日おめでとう!」
「おっ…今日誕生日だったな。そういえば」
「哉太、毎年誕生日忘れてるよねー…」
私がそう言ってけらっと笑えば
うっせーよ、って哉太も笑って。
「まあ私が毎年隣で祝うから関係ないけどー」
なんてプロポーズみたいなことを言えば赤面した。
可愛いなーなんて思ってるとぴんっとデコピンをされた。
「…色気のないやつめ」
そう呟けばその言葉が不満だったようで荒々しく口づけてきた。
「…ばーか、」
「お前、プレゼントくらいくれないのかよ」
「for youー」
そう言って思い切り抱きつけば「は?」と言った。
「私をあげるよ、たくさん貰うならものより愛でしょ?」
と悪戯気に笑えば少しだけ彼ははにかんだ。
<たくさんあげるなら愛がいい>
(そう思うよねー?)
(かーなた、)
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