あれからいろいろと彼の周りを調べてみたり、ちょこっと尾行もしてみたけれど、征十郎がゴムを買う姿は確認できなかった。
けれど、ある日ふと彼の家に遊びに行った時の事、飲み物を持ってくると席を外した征十郎を待っていると、ふと、パソコンがついているのに気づく。
何気なくついてるなぁーとみていたんだけれど、ちょっとだけ…征十郎が普段どんなものをパソコンで検索しているのかとか気になってネットを開く。
クリックすると、一瞬で画面が切り替わり、私は思わず目を丸くし、画面を凝視した。
「なっ、こ……これは!」
そこには、大人な商品が並ぶサイトがチカチカとたくさんの卑猥な広告に彩られていた……。
「えと、べ、別にエッチなサイトを見ていたわけでは……ないよね。」
カタカタと震える手でサイトをスクロールさせれば、画面下の『買い物履歴』が目に入った。見た感じ、『カート』と書かれた場所には何も入ってはいない。
もしかしたら、見てただけかもしれないし……と、恐る恐る『買い物履歴』をクリックする。
「……。」
そう来たか。
クリックし、表示された次のページのお買い上げ項目には、堂々と『コンドーム』らしきものががあった。
「征十郎は……ネットで買う派なんだ。でも、確かに…ネットなら恥ずかしくないよね……」
ビックリはしたもののなんとなく理解した私は、少しだけホッとする。
のも、つかの間
「気は、澄んだかい?」
「ヒぃ!!」
後ろから…声がして、恐る恐る振り返る。
誰?……てか、この部屋の主しかいないよね。
「征、じゅうろ……。」
私は、後ろめたさと恐怖から、一歩また一歩と机から離れ、ベットのほうへと後ずさる。ベット近くに来た時に、ガタンと音がした。
え?何か蹴っちゃった?と、足元を見ればそこには小さなダンボール。そこから転げ落ちたのは先ほどパソコン画面で見たソレで……。けれど、他にも何かが転がっている…
なにこれ?ハンドクリーム?
「気になるのかい?それが……」
「いや、え、ちょっ、いつの間に!?……てか、近いよ征十郎…」
「あたりまえだろう?せっかく届いたんだ。さっそく試そうか?」
「なっ!?え!……わっぁあ!っ!」
足元に気を取られているうちに近くまで迫っていた彼にトンと肩を押され、私はあっけなくベットへとだいぶすると、すぐに彼が覆いかぶさった。
「あのチューブはローションだよ。処女は濡れにくい。痛いのは嫌だろう愛実?」
「え?」
征十郎、そんなに私の身体の事……
って、そうじゃない!まだ、その、心の準備が……
「まぁ、痛みなんて忘れるくらい、気持ちよくしてあげるから、安心するといいよ……」
耳元でささやかれ、私はギュッと目をつぶり覚悟を決めた。
ただ、今後一切、彼を探ることは一生しないことにしようと思うのであった。
END
余談
赤司君は、そう言うの抜かりなくやりそうですよね。絶対ネット派。しかも、すっごい調べていろいろ一緒に買ってそう。管理人の妄想でした。お付き合いありがとうございました。
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