いつもは一緒に帰る彼が、今日はちょっと用事が……とか言うので、なんとなく怪しく思い、彼の行動を尾行してみることにしたその日。彼は動いた。
いつものコンビニに立ち寄ると、真っ先に向かったのはエロ本コーナー。
ちょっと、堂々と立ち読みしてるよ大輝!まぁ……いつもの事だけど。
そして、しばらく本を読んだ後、隣のマイちゃんが表紙のグラビア誌を手に持つとレジへと向かった。
ちょっ!え?ここでアレを購入するのかと思ったけど違うんだ。
「てか、立ち読みしてた本は買わないんだ」
と、まぁ、そんな事はおいておいて。
大輝はコンビニを出ると、今度はすぐ近くの薬局に入った。
「お?ついに買うのかな?」
さつきちゃんも薬局に置いてる……って言ってたし…
彼にばれないように近づけば、案の定、大輝はキョロキョロと周りを気にしながらもコンドームのコーナーで立ち止まった。
「大輝は……薬局で買う派かぁ」
てっきり、エロ本とかと一緒にコンビニで買っちゃうかな。とか思ってたけど……まぁ、エロ本と一緒にゴムをお買い上げされたらいろいろちょっと複雑だよね…
まぁ、周り気にしてる節もあったし、ちょっとは恥ずかしいとか思いながらも買ってくれてる大輝も見れた。そろそろ帰ろうか……
「おい愛実」
「なに?大輝……って!え?なっ!なんで!?」
ばれた?てか、いつの間に?
ってまぁ、これだけ近くにいれば、一瞬で近づけるけど……ばれてた?いつから?
「いや、ずっとバレてたけど?」
「嘘……」
「いや、マジで。つーか、ちょうどいいから一緒に選ぶか?」
「え?」
そう言われて、腕を引っ張れ連れてこられたのはアレのコーナーで……。まじまじと見て見れば顔に熱がこみあげてきた。
「顔、赤くなってんぞっ。」
「だっ、だって……そのっ」
「愛実のそういうとこ、ホント可愛いよな」
「ちょっ、えっ、……ども」
今のはずるい。こんな場所で…可愛いとか……。
もじもじしながらチラリと大輝を見れば「お、これいいな」「こっちも」と気に入った商品を手に取っていた。
てか、おい!3箱セットのやつ2つも持ってるし!
「だ、大輝さん……そんなに買って…どうされるんですか?」
「あ?んなもん、使うから買ってんだろ?てか、お前も好きなの選べ」
「いやいやいや!まだ買うの?!そ、そんなにいらないでしょ?」
「いらないって、俺らまだ学生だし……嬉しいけど……さすがにナマは……」
とか言って顔を赤らめる大輝。
って、そんなところで恥じらうそぶり見せられても全然可愛くないからね!てか、どんだけする気ですか!?
「ま、また、買いに来よう?と、とりあえず今日はその、大輝が持ってる奴だけで……」
「あ?あぁ、まぁ、そうだな。部活もあるし、時間もあんまりないか……。」
そう言う問題?
てか、赤司君にお願いして練習量増やしてもらおう……
「とりあえず、買ってくる。んで、俺の家直行な」
「へ?デートは明日じゃ……」
「今日したい!もう待てねぇー」
「そっ、そんな事言われても……こころの…」
言葉に詰まる私をよそに、彼は嬉しそうにすたすたとレジへと持って行ってしまった。
話聞けよ!
まぁ、でも……
タイミングも大事だし……
大輝の事は好きだから……
明日が今日になっただけ……
腹をくくって、彼を待っていれば、急に後ろから声がして、ぼーっとしていた私の手を握る。
「ほら、行くぞ」
と歩き出した。
チラリとみた彼の横顔も、どこか緊張しているように見えた.
END
余談
青峰は、なんか買ってもすぐなくなりそう。常に発情してそう。んで、ちょっとだけ恥ずかしそうにしながらも大量買いしそう。と言う管理人の偏見。お付き合いありがとうございました。
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