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俺はすごく、そうすごくだ
凄く凄く凄く 面倒な奴らに絡まている


「ねえ 雅人くーん」
「ねえねえ主ぃ」

「雅人くんってばー」
「主俺ってかわいい?ねえねえ」


「うるせえ!おまえら黙ってろ!」

机に向かって必死な俺の両腕にすり寄ってくる青色と赤色に一喝し 黙らせようとする 側にいるのは最悪構わん だが騒ぐな 俺は忙しいんだ。

「逆ギレ?あり得ない雅人くん最低」
「主 俺のこと 、嫌い? 邪魔 だった?」

眉間にこれでもかというほどシワを作ながら絡まる腕に力を入れ睨んでくる青色と それとは正反対に肩をびくりと震わせ俯き腕の力を極端に緩め泣きそうになる赤色


「ーーーっ、助けて燭台!!!!」

もう仕方がないと、最終兵器である燭台を呼ぶ俺

「こらっ 君たちまた雅人くんのレポートの邪魔をしてる!何度だめだって言ったと思ってるんだい」

部屋の襖を勢いよく開け入ってきたかと思えば俺にくっついてる二人を強制的に引き剥がし 正座させ説教を始めた そう俺は今まさに大学の課題である レポート 、これをするしないで単位の良し悪し最悪の場合は無有にすら関わってくる大変大切なブツを製作している。

「僕は僕がしたいようにする お前に文句言われたくない」

青色 、安定はさっき同様 眉間にシワを作りそっぽを向きながら言う

「主が俺のこと嫌いって 邪魔だって…」

赤色、 清光は俯き泣きながら言う

え は 泣きながら?


「……雅人くん」
「言ってない!言ってない!俺言ってない!」

二人をお説教していた燭台がいきなり視線だけこちらに向けてきた それはもう怖いなんてものじゃない人を殺せるんじゃないかってくらいの睨み様

「黙ってろとは言ったが、
邪魔だとか嫌いだとかは言ってないっ」
「でも怒鳴ったんだ雅人くん」

そっぽを向いたままぽつりと呟いた安定

「僕らに 苛ついてた 邪魔だってどっか行けって たぶん そう思ってた」

俺からは泣いてる清光の顔もそっぽを向いている安定の顔も見えないが 確かにいつもとは違うものを感じた

「怒鳴った雅人くんも悪いけど君たちだって彼に迷惑をかけていたのは事実だよ 彼は僕らの主である前に学生だ 僕らが邪魔していい領分じゃないよ」

燭台が目を細め 冷静にしかし少し寂しさを含め言った

「そんなのわからない」
「少し待てばまた 雅人くんとは一緒にいれるんだ 別に今じゃなくても」

「今じゃないっていつ またっていつ」
「 、その時 主は ちゃんといるわけ」

そういった二人の声は凄くか細かった

「ごめんな 二人とも」


二人を前から思いっきり抱きしめた いつも側にいたがるこいつらの意図がやっとわかった


「俺はちゃんとここにいる まあ学校行ったりだとか今みたいにさ課題におわれて側にいれないこともあるけど大丈夫、お前らに何も言わずどっか行ったりしない」
「ほんとに? 雅人くんいつの間にか病気になったりしたらダメ だから、ね」
「まだまだ若いしな 俺
大学でも定期的な健康診断あるし大丈夫」
「大学とかで他の女の子に惚れちゃったらやだよ主」
「はは お前らより可愛いやついないって」

そう言って頭を撫でてやると 二人は一気に泣き出してしまった

「雅人くんっ 僕ずっと不安 で仕方なかったんだ 沖田くんみたいに急にいなくなっちゃうんじゃないかって」
「沖田くんは病弱だったからって 自分に言い聞かせても そんなの、意味なくて 俺、主の邪魔ばっかりするし うるさいし、でも 側にいない時に主がって思ったら」

「大丈夫 大丈夫」

子供みたいに泣きじゃくる二人を撫でながら何度も大丈夫と呟く






少しして二人が落ち着いた頃いきなり喋り出した

「ほんっと 僕ばっかりかっこ悪い役させないで欲しいんだけどなー」

「は?」
「え?」
「あれ燭台いたの」

二人を抱きしめたまま首だけ後ろに向けて燭台を見やる やれやれみたいな表情とポーズ 何だろう苛つきが

「ああずっとね」

「大和守くんも加州くんも あと雅人くんもね 二人は天邪鬼を治すべきだと思うよ そして雅人くんはその無意識タラシと変に鈍感なところ 治さないと絶対に損するよ 特に雅人くんは」

「は なに お前 全部気づいてたのか」
「僕をだれだと思ってるんだい」

「何お前 僕たちのこと監視でもしてたのきもちわる」
「あり得ない最低 溶かしちゃおうよ主」

俺の首に両側から腕を絡め言う二人 さっきまでメンタルやわやわになってた癖に解決した途端これかお前ら

「そんなことより二人とも 雅人くんの邪魔しない!レポート終わるまで会っちゃだめだからね!さあ 夕餉の準備でも手伝ってもらおうかな!」

先ほど同様二人を引き剥がし今度は襟元を持ち引きずりながら部屋を出て行った。

「引っ張るなよ服がのびるっ」
「襟元が汚くなるだろっ」

廊下の方からは清光と安定の声 そしてずりずりと引きずられている音だけが響いていた






(あ、レポート 全然終わってない)




20150511*



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