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「なあ三日月」

首元に顔を埋めるとすごく落ち着く ああ そんなことは小さい頃から知っていたか

「はっはっは 今日は随分と甘えただな
どれ、じじが寝かしつけてやろう」

子供をあやすようにそっと背中や頭を撫でる三日月。三日月に触れている全てが心地いい

「違うっつーの」

そう言いながらも三日月の腰に手を回し甘えてしまう

「わかっておる どうした
気分がさえないのか」
「ん」

「そうか 悪かった」
「いいや あのな三日月 稀に 酷く寂しくなるんだ まるで 体に大きな穴が空いてるんじゃないかと思うくらい 寂しくて、辛い」

「その時 雅人はどうしたい 何をしてほしい?」
「お前に逢いたいよ 側にいたい 触れあいたい」

無意識に回した腕の力が強くなる それに気づいたのか ゆっくりと背をたたき俺を安心させようとする三日月

「ならばそうすればいい 雅人、お前の苦しみを埋めてやれるのならば俺は 何時であろうと 側にいる」

「ったく それが 探し回させた奴の言う台詞かよ」

「はっは それは まあ 、色々だ」
「マイペースなお前には今更だよなそんなの わかってたけど ありがと だいぶ落ち着いた」

腰に回したてをそっと離し三日月との距離を作る すこしばかり寒さを感じたがこの寒さは嫌いじゃない

「もう よいのか」
「大丈夫 、でなんでお前が寂しそうなの?」
「頼られ 甘えられ 嬉しいと思えば途端、離れていく お前はずるいぞ雅人」

寂しそうな顔をし首に腕を回してくる三日月
おでことおでこをこつん、とくっつけ様子を伺ってみるが さっきと変わらず寂しそうにしている

「離れた覚えはないけど俺
いつもお前にべったりだよ」

頬にそっと触ると擽ったそうにするがゆっくりと擦り寄ってくる

「それもまたずるい」


あ、わかったかも 俺



「俺さぁ 何してほしいか
言ってくれないと わかんないよ」

にやけそうになる口元をなんとかおさえ目の中の月を見つめ言うと、まるで水面に映った月が風にあおがれたように揺らいだ

「では行動で示させてもらおうか」


そう言うと腕と身体に力を込め 倒れる三日月 首に腕を回されている俺は一緒に倒れるしかなく、三日月の顔の横に手をつき 覆いかぶさるようになった。


「おいバカ 首重い」
「これではまるで雅人に襲われてるようだな」

俺の言うことには全く聞く耳を持たず くすくす笑いながら顔を近づけてくる三日月

「襲ってんのはお前だろ」
「襲ってはおらんよ、誘っている」


「はは そうだな
その誘いのってやるよ」




どちらかともなく目を瞑った 言ってくれないとわからないなんて全部嘘。全部わかってた そんなの三日月だってわかってただろうにな それでも付き合ってくれるあたり



(俺のこと大好き?)(わかりきったことではないか)



20150327*



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