鏡越しの君に | ナノ



校庭の片付けも終わり 食堂へ向かおうとした時 俺は一樹がいないことに気づいた

「おい 一樹はまだか」

「あれー もうとっくに終わってる頃だと思いますよー」

なめくじと戯れながらいう喜三太

「そうか、ったく めんどくせえな
お前らは先に食堂に行ってろ」

「食満先輩は?」

「一樹を迎えに行ってから行く ちゃんと俺と一樹の分残しておけよ 、しんべヱ!!」

「えーっ せっかく沢山食べれると思ったのに」

「‥‥喜三太 作兵衛 ちゃんとしんべヱを見ていろよ」

それだけ言っておき 俺は一樹がいる校庭の塹壕を探しに向かった

「はあーい!」
「はいっ」

喜三太は兎も角 作兵衛がいれば大丈夫だろう
……だが念のために早めに食堂に行くか、一樹のことだ ほとんど終わってるだろう、そう思って塹壕を探していたら 聞いたことのある声がした その声は塹壕の方からしていた。



「でも僕はこーちゃんに突き落とされたんだよ 一樹
僕を信じてよっ」

この声 伊作だよな 、塹壕の近くにトイペが散らかってる以上 あいつしかいねーよな どうせたま落ちたんだろう。そっと、覗きこんでみると 伊作と一樹がいた

『伊作は嘘をつくような奴じゃないしなあ まあ信じるよ』

こーちゃんだの、何だの話が掴めないんだが なんか胸くそ悪い

「一樹、っ」
『ああもう、泣くなよばか』

「……っ、」

泣きそうな伊作の目尻を拭く一樹 何だよこれ 俺邪魔者じゃねーかよ あいつが頑張ってるからとか思って 迎えに来て馬鹿みたいじゃねーか うわあ何か泣けてきた

「…っ、 一樹ーっ!!」

一樹に抱きつく伊作 なんかもやもやする このままここから居なくなることも考えたが それは腹がたつ この雰囲気ぶっ壊してやる、と思っていたら いいところに一樹が置いたであろう鋤があった。よし投げてやる
こんなとこでラブコメしてるお前らが悪い ざまあみろ

『いったあああ!?』
「えっ ちょ、ええええええ!?」

「ハッ いいざまだな」

丁度 一樹の頭に当たった 伊作ばっかりと居るお前が悪いんだばか

『留三郎っ おまえ… !』

「と 留さん!!」

頭をおさえてその場にうずくまる一樹と しゃがみこみ一樹の心配をする伊作

「伊作! 俺は 諦める気も譲る気もねえ! 」

「、奇遇だなあ 僕もだよ」

「絶対 負けねぇからな!」

「それは僕の台詞だよ」


『何の話してんだよおまえら』

頭を押さえながら俺と伊作を交互に見る一樹 何でこいつはこんなに鈍感なんだよ









宣戦布告
(一樹 とりあえず保健室まで行こう)
(この程度問題ないだろ 食堂行くぞ)
(なにこれ なんか怖い)







20111110*



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