鏡越しの君に | ナノ




『ははは、やっぱりこうなるよなあ』

昨日 体育委員会(主に小平太)が荒らした校庭の片付けに参戦されられる俺 用具委員会は下級生が多いし 人手が足りない。そして一応忍術学園だけあって校庭は 罠がある。勿論埋まってるものもあり小平太に壊されたものの回収もしなくちゃいけない、危ないので下級生にさせられない。というわけで 強制的に留三郎に塹壕を埋めろと命令された

「一樹せんぱーい、頑張って下さーい」
「片付けが終わったら食堂のおばちゃんのおむすびがまってますよー」
「おい しんべヱ よだれを垂らすんじゃねえ!!」

下級生って上級生より ふわふわしてて可愛いなあ 特に会話が 罪がないよな うちの留三郎と文次郎なんて話せば罵倒の連続だ 可愛さの欠片もない

『おう おばちゃんのおむすびの為頑張るぜっ』

罠を回収しながら見上げて言う 眩しいなあ、おい どんだけ深く掘ったんだよ あいつ
よし もう罠はないな後は上から埋めれば、

「う、うわあああああっ」

『え、 うおっ』

上から誰かが降ってきた 塹壕に落ちる奴なんて一人しかいないと思い 受け止めた

『で 今回はどうしたんだよ』

「一樹…っ ありがとうううっ」

落ちてきたのは勿論不運で有名な善法寺 伊作 俺も少なからずこいつのせいで不運になったよなあ、とか思ってたら泣きながら伊作が抱きついてきた 受け止めてる状態からされると辛い けど可愛いから許す

『どうしたんだよ』

「こーちゃんが こーちゃんがあ!!」

『こーちゃんがどうした』

「僕を突き落としたんだあああっ」

『はぁ! こーちゃんは生きてねーだろう』

受け止めたままだった伊作を下ろし言う俺 伊作もまだ涙目だが 離れた

「でも僕はこーちゃんに突き落とされたんだよ 一樹
僕を信じてよっ」

『伊作は嘘をつくような奴じゃないしなあ まあ信じるよ』

「一樹、っ」

『ああもう、泣くなよばか』

また泣きそうな伊作の目尻を汚れていない手で拭いた

「…っ、 一樹ーっ!!」

また抱きついてきた伊作。どうしたんだよ、まったく


その伊作の顔が真っ赤だったなんて 俺は全く知らない









鈍感
(かっこよすぎて 困るっ)
(どうしたー伊作)





イケメンに目尻拭われたら
誰だってどきどきするさ


20111107*



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -