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局面は何処かしらのビルの屋上。
園長が逃げている途中に座って居た勇義を連れて屋上にいく。
「こいつを殺したくなければ俺を見逃してくれ!!」
「見事に無意味な事してるっすね」
「ほんとそれ」
「でもあのガキも泣きもしないんて、薄気味悪いすね」
離れて見ている舎弟と加賀屋。
ガムを捨てようとポケットを探ると一枚のメモ用紙が。
そこには
言葉はない。
ただ、「2」とだけ。
「なんすかそれ」
「、、、、。」
「ち、近くな!!」
「お前にようじゃないから」
加賀屋は勇義を見る。
「お前、死にたいの?」
そう聞いたが、帰って来たのは耳慣れない不思議な声。何年も使われていないのかその声はしゃがれているが不思議と魅了する声。
「も、もう、お腹へってない?」
「あ?俺が、空腹に見えるのか?」
ふるふる。
「なら、いい。」
ふふっと笑う。
安心したように笑った。
─なら、もういい
ゆぎもお腹がいっぱいだ
ばいばい、と口パクで話し園長を振り解いて屋上から飛び降りる。
メモ帳には「2」と数字だけ書かれたページだけが風に揺られているだけ。
騒然とする中、加賀屋だけが固まったままじっと勇義の跡を見ていた。
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