「おーい。雨宮君大丈夫?」

「うぇあ?」

若干意識が朦朧とし出した頃、聞いたことのある声で現実へと引き戻された。どうやら順番が回って来ていたらしい。

「あ。おはよーございます」

一応あいさつしてニコッと笑うと爽やかな笑みが返ってきた。

「うん。色々渡したいものあるから奥に来てくれる?」

峰は、他の教官に役目を任せると奥へと続く扉に招いた。それに1つ頷いて付いて行くと「まずはこれね」と渡されたものは、細長く赤いゴム製のバンド。黒のマジックで30と書かれている。
綺色は渡されたものが少しばかり予想外で目を見開いた。

「赤?」

そうじっとバンドを見ながら尋ねると、少しの沈黙の後「自前検査で決まったんだよ」と苦笑が返ってきた。

というのも
バンドの色が示すもの、それは異常性を表していからだ。
他の色である青のバンドは、問題・欠陥があり長期的に治さなければいけない生徒や治す意志を持っている生徒。
緑は、問題があっても治せる見込みがある生徒や卒業間近か問題が少ない生徒。

白は、施設に入れられて1ヶ月にみたない生徒

そして赤は、治る見込みが薄く最要注意生徒。

ここに来るまでの素行調査や異常性を教官全員で審議し決定する。

殆どの生徒が青〜白色の生徒で、白色より先に色付きを貰う生徒は珍しい。
先程出会った圭もバンドの色は青色だ。
施設へと入れられた理由は、当時通っていた学校の生徒同士を殴らせるなど他人に無理に行為を強いたらしく遊び過ぎたと本は言っていた。
圭は結構な愉快犯だ。
けれど話が分かり、施設の規律も守っている為『青バンド』になったらしい。
施設の規律や問題行動を続けると、罰則や施設卒業が延びる事は入館時に説明される。

「まぁ、いいや。これ渡せばいーんですよね?」
「うん。あと───」

その後二人の着替えを籠に入れてそこを後にした








prev next


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -