夢小説 完結 | ナノ
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続くーcontinue


『…えーっと…』

「…どうも、」

『あはは、まさか2日続けて会うなんてね』


つい眉を下げて笑うと赤葦くんも同じように小さく笑いながら「そうですね」と返してくれた。


今朝目が覚めたとき、昨夜の夢の中でのことはハッキリと覚えていた。
それなのに、睡眠が足りないということもない。
夢を見ると眠りが浅くなると言うけれど、そんなこともないのかな。
とりあえずあまりに気にすることもなく、今日も仕事へ行って、帰ってきて、昨日と同じようにベッドへ。
すると、何故か赤葦くんと再会を果たしてしまった。


『なんだかごめんね』

「いえ、苗字さんが謝るようなことでは…それに、この夢を見たからといって、別に影響はありませんでしたし」

『あ、確かに。それは私もそうだった』


「なんだか不思議だね」と笑うと「そうですね」と赤葦くんの表情も柔らかくなった。
目の保養ができてよかった、なんて冗談っぽく言うと赤葦くんをすぐに口元を横一文字に変えてしまった。
残念。


『…ところで、起きるまでの間、どうしようか』

「…そうですね…」


何もない空間に初対面の相手と二人っきり。
普段なら絶対に選ぶことのないようなシチュエーション。
どうしたものか、と首を傾げてから「それじゃあ」と赤葦くんを見上げた。


『お話、しようか』

「…はい?」

『赤葦くんのこととか、学校であった面白いこととか教えてよ』


「ダメかな?」と赤葦くんを見ると、困ったような顔を向けられた。


「…何も面白いことなんて話せませんが」

『それでもいいよ』


ニコニコとする私に赤葦くんは諦めたように小さく息をはいた後、それじゃあ、と自分のことを話始めてくれた。
強豪校のバレー部に所属していていること。
そこで、2年生ながら副キャプテンをしていること。
それを聞いたとき、私も中学高校ではバレー部だったことを伝えると、赤葦くんはちょっと意外そうに私をみた。
「似合わない?」「…いえ、ちょっと意外だっただけです」「あはは、でもまあ、赤葦くんみたいに強いとこではしてなかったけどね」
なんて他愛のない話をしていると、どれくらいたったのか、昨日と同じようにだんだんと赤葦くんの姿が薄くなってきた。


『あ、そろそろ終わりだね』

「そうみたいですね」

『色々聞けて楽しかった。ありがとう赤葦くん』

「いえ、こちらこそありがとうございました」


また礼儀正しくお辞儀をしてくれた赤葦くんを見てから、「じゃあね」と手をふるとこれまた昨日と同じように意識が落ちていくのだった。

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