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20 毒素包帯!?な四天主将


朽木先輩と別れて教室へ行くと、ルキアちゃんと阿散井くんがいた。
「大丈夫だったか?」と心配してくれる黒崎くんに頷いて朽木先輩に助けてもらった旨を伝えるとルキアちゃんは驚いた顔をしたあと、誇らしげに笑ってくれた。
それから、これを機にルキアちゃんと呼ばせてもらう事になった。









その後、お昼を食べて終えた私たちは午後のサッカーの試合が始まるまで体育館へ。
阿散井くんとルキアちゃんはソフトの応援に行くそうなので、そこで別れた。


「あ!名前っ!」

『サクラちゃん、いのちゃん』


体育館へ入ると綺麗なピンクと金が見えた。
サクラちゃんといのちゃんだ。
近寄ってきた二人の手には、よくチアリーダーが持っているようなポンポンがあった。
応援へのやる気が半端ない。


『C組はバスケなの?』

「そっ!!なんてたってサスケくんが出てるんだから!!」

『うずまき君や奈良君は?』

「その二人もバスケだけどシカマルはベンチよ」


サクラちゃんの言葉にコートを見てみれば、確かに奈良くんはベンチに座って欠伸をしていた。

なんだか彼らしいなぁ、と笑いながら今度は整列している人達を見た。


『(うずまきくん、と…うちはくん…)』


黒髪の彼の姿にさっきの言葉が頭を過る。

“殺したいと思うほど憎いヤツはいるか”

いる。
私にはそう思えるほどに許せない奴がいる。

思わず唇を噛むとスッと誰かの手がのびてきた。


「血、出るで?」

『え…』


スッと唇を撫でてきた指には包帯が巻かれていた。驚いてその手の持ち主を見るとミルクティー色の髪をしたイケメンさんが立っていらっしゃった。


「…離れろぃ」

「おおっと、すまんすまん」


ジロリと沖田くんがその人を睨むと苦笑いをして手を離していった。
キョトンとしながらその人を見ているとニッコリと笑顔をいただいた。


「白石蔵ノ助、3年や」

『あ、苗字名前です』

「知っとるで?仁王が世話になっとるみたいやし」


また仁王先輩か。
あの人、どれだけ有名なのだろう。
半分呆れたように笑って返すと、それに気づいた白石先輩は「俺も仁王と同じテニス部やねん」と付け加えた。
ああ、そういえば仁王先輩はテニス部だったなぁ。


「白石先輩はなんでここに?」

「ん?おお、黒崎やないか。
謙也がバスケ出てんねん」


ほら、と白石先輩が見た先には金髪の人がいる。
あれ?といういことは白石先輩のいるクラスはサクラちゃん達とするのだろうか。

チラリとサクラちゃんといのちゃんを見れば、もぅすでにうちは君以外は見えていないようで
「きゃあああああ!!サスケくうううん!!」「かっこいいいい!」
目がハートになる勢いで叫んでいた。


「始まったな」

「おっ、謙也の奴いきなり決めよった」


謙也さん、という人はボールを手にすると凄い速さのドリブルでゴールを決めた。

おおー!と感嘆しているとサクラちゃん達に睨まれた気がした。


『あ、』

「今度はうちはだな」

「スリーポイント決めるやなんて怖いなぁ」

「きゃあああああ!!サスケくうううん!!」


今度はうちは君がスリーポイントシュートを見事に決めていた。
彼はバスケ部ではないのに、なんてスーパースキルを持っているのだろう。
ポカーンとしながら見ていると隣に立っていた黒崎くんが笑った。


「ここの連中に常識は通用しないぜ?」

「せやなぁ、なんでもできるオールマイティーな奴がゴロゴロおるからなぁ」


確かに、黒崎くんも沖田くんもサッカー部でもないのに凄いボール捌きだった。
前の学校でも凄い人達がいたけれど、ここには更にたくさんの人達が凄い能力を持っている。
別次元の人達だなぁ、と小さく息をはくと白石先輩がクスクスと笑った。


「苗字さんはおもろいなぁ」

『…それって褒められているんでしょうか?』

「一応そのつもりやで?」

『私よりも面白い人達ばかりですよ、ここ』


なのに私の何が面白いのか。
言葉には出さなかったけれど、それを感じとった白石先輩は苦笑いをこぼした。


「“そんな”奴らばっかりやからかなぁ」

『え?』

「そういう連中の中に苗字さんみたいな子がおると、新鮮に見えんねん。せやから、おもろいなぁって思えてな」


「気に障ったならすまんかったな」眉を下げて謝ってきた白石先輩に慌てて首を振った。
なんだか気を使わせてしまった。
「私の方こそごめんなさい」と先輩に頭を下げようとしたときだった。


「おいおい大丈夫かよ?」

『?どうしたの??』

「いや、C組のヤツが怪我したみたいでよ」


心配そうにコートを見ている黒崎くんにならって自分もそちらを見てみると、誰かがコートから運び出されていた。
大丈夫だろうか。
曇った顔で様子を見ていると、どうやら交代要員は奈良くんらしい。

「シカマルー!!サスケくんの足引っ張らないでよ!!」「名前だった見てんだからねー!!」

よく分からない応援?をするサクラちゃんもいのちゃんに苦笑いして、チラリと奈良くんを見ると
目があってしまった。


『が、ん、ば、れ』


とりあえずエールを送ろうと、口パクでそう言えば眠そうにしていた奈良くんの目が少しだけ見開いた。
それから頭をガシガシと書いたかと思うと小さく手をあげて返してくれた。
良かった、伝わったみたいだ。
思わず顔を綻ばせていると、ピーっと試合再開の笛がなった。


「「勝てええええええ!!」」

「謙也!気張れや!!」


各々の応援を聞きながらその後の様子を見ていると、奈良くんもどうやらアチラ側の人だったようだ。

空いた人を見逃さない観察眼とコート全体が見えているような視野の広さ。
単純に凄い。
ほぅっと試合をみていると、残り20秒でC組が2点差で負けている。

「諦めるんじゃないわよ!!」というサクラちゃんの言葉と共に、うずまき君が相手のパスをカットした。
そのボールを奈良くんが捕らえると、まるで針の穴を通すようなコントロールでうちはくんにパスを出した。

残り5秒。

うちはくんがシュートモーションに入ると、まるで時が止まったようだった。


シュパ


リングに当たることなくゴールをくぐったボール。
うちはくんのスリーポイントシュートは見事にきまったのだ。

ピピーっと吹かれた笛は試合よ終わりを示すもの。


「きゃああああああ!!」

「優勝よ!!!」


「やったああああ!!」とはいタッチをするサクラちゃんといのちゃん。
バスケの優勝を決めたのはC組だった。

微笑ましく思いながら喜ぶ美少女たちから下へと視線を移すと、ちょうど奈良くんと目があった。

ニコリと笑ってみせると、奈良くんもふっと笑って返してくれた。


「あちゃー、負けてもうたなぁ」

『でも、凄い試合でしたね』

「…せやなぁ…」


「謙也にアイスぐらい奢ったるわ」そう言って歩いていく白石先輩に笑っていると、グイっと腕を引かれた。


「次は俺らの番でさぁ」

「おっしゃ、行くぞ」

『うん』


黒崎くんと珍しくやる気に満ちている沖田くんに頷いて三人で校庭へと向かったのだった。

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