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48話 2年 は 勉強


土曜日。
今私は田中家にいる。

ノヤが国語の小テストを縁下に見せて、その解答に思わず笑っていると、お菓子を持った田中が戻ってきた。
お菓子よりも勉強優先でしょうが。
呆れながらそう言おうとしたとき


「ゲッアンタ勉強してんの!?」

「『!!』」


聞き慣れない声の方を見ると、襖に手をかけた金髪の女の人が立っていた。それも田中ソックリな人だ。
多分、というか絶対。田中のお姉さんだ。

「姉さんチーッス!!!」と部活張りの挨拶をするノヤに続いて、縁下たちと頭を下げると歯を見せて笑っていたお姉さんが目を見開いて此方を見てきた。
な、なんだろう。


「おおっ!!!」

『へ!?あ、あの…』

「あたしの弟ながらよくやった!!こーんな可愛い彼女を作ってるなんて!」

「はあ!?」


顔を真っ赤にした田中。
お姉さんはそんな田中が目に入ってないのか、ニシシと笑うと私にウインクをしてきた。


「こんな馬鹿な弟だけど、これからもよろしくね?」

『あ、いえ…その…』

「?なに?」

『私…田中の彼女ではないのですが…』


え、というように目を丸くしたお姉さん。
チラリと田中を見るとまだ少し赤い顔で申し訳なさそうにこちらを見ていた。


「…そっかぁ、違うかぁ…。まあそうだよなぁ、こんな可愛い子が龍の彼女な訳はないか」

「う、うっせぇ!!勉強すんだよ!邪魔すんな!」


田中の声に「はいはい」と言って返したお姉さん。
そういえば、名前は何て言うのだろうか。
「あの、」と引き留めると、お姉さんは「ん?」とこちらを向いてくれた。


『お名前は…?』

「ああ、冴子ってぇの。よろしく」

『あ、私は苗字名前です。こちらこそよろしくお願いします』


ペコリとお辞儀をすると「いい子だねぇ!」と頭を撫でられた。
その手つきが意外にも柔らかくて、冴子さんがどういう人かそれだけでも伝わってきた。


「ほら!早く出てけって!」

「はいはい、えーっと名前でいい??」

『あ、はい』

「また遊びにおいでね」

『は、はい!』


ニッとかっこよく笑った冴子さん。
それに返事を返すと満足するように笑って去って行った。

「なんか悪かったな」と眉を寄せる田中に首をふる。


『私、一人っ子だからあんなカッコいいお姉さんいたらうらやましい』

「そうか? 」

『うん。…あ、てことはさ。田中と結婚したら冴子さんが義理のお姉さんになるんだね』

「け、けけけけけけけ結婚!?」


「あんなお姉さん欲しいなぁ」と冴子さんが出ていっを襖を見つめていると、田中がさっきのように顔を真っ赤にしていた。
そんな田中を気にしていない縁下は「そういえば、」となにかを思い出したように声をあげた。


「苗字、今日は用事はないのか?ここのところ部活が終わるといつも用事があるって言ってるけど…」

『あ、うん。今日は平気だよ』

「そういや、この前も用事がどうとか言ってたな。その用事ってなんなんだ?」

『…ヒミツ』


「なんだそれ?」と首を傾げたノヤ。
それにフフっと笑ってから「ほら、勉強勉強!」と手を叩くと渋々勉強を始めてくれた。

英語の勉強をしているときに、田中にmarryの意味を教えていると田中がまた茹でダコのようになってしまったのはなんでだったのだろうか?

marry(結婚する)

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