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41話 青城 と 試合


『おはようございます!』

「お、気合い入ってんな」


大会二日目。
会場に行けば、嶋田さんと滝ノ上さんが既に着いていた。 「そりゃもぅ!」と大きく頷くと、二人はにっと笑いかけてきた。

昨日、帰ってから見てテレビのローカルニュースに及川さんが映っていた。綺麗な顔立ちの彼はテレビ場えするだろうし、それ自体には全く問題ない。
そうそれ自体には。


“全力で、当たって砕けてほしいですネ!


…正直あれにはカチンとしてしまった。それは他のみんなも同じだったようで、一瞬職員室が凍りついたのを覚えている。

思い出して、ちょっとだけ不貞腐れていると、ピーっと公式ウォーミングアップ終了の笛の音がして慌ててコートに目を向けた。

さぁ、三回戦のはじまりだ。









『気づいてますね、及川さん』

「え?」

『日向くんの速攻の使い分けかたです』


1セット目前半。
及川さんと影山くんのツーアタックは二人のスゴさを表していた。そのあとの及川さんの強烈なサーブ。
けど、それはノヤが拾い大きなダメージを受ける事なく進んでいると、青城がタイムアウトを取った。

もしかすると。

その予感は当たってしまい、タイムアウト明けから日向くんの速攻の使い分けを見破られてしまっている。
そのせいか目に見えて焦る影山くんはツーアタックに行くけれど、及川さんに止められてしまう。
加えて徐々に開いていく点差。
おまけに…


「げっ及川のサーブ…!」


再び回ってきた及川さんのサーブ。
もうノヤには打ってはくれないだろう。
一体誰に打つのか。

手刷りを掴む手に力を込めて見つめていると、及川さんがサーブを打った。


『っ田中あああああ!!』


打たれたボールが飛んでいったのは、うちのムードメーカーだった。

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