キミノスベテヲ 03 頭が、真っ白になった。 ベッドシーン。陸斗が？ 陸斗の裸が、撮影される？ 陸斗の肌に、どこかの女優が触れる？ 「あ、あは。なあ拓真、妬いちゃう──っ？」 はにかみながら悪戯っぽく言おうとした陸斗を。 気付けば抱え上げ、ベッドに放り出して、のしかかっていた。 「た、た、拓真？」 手首が細い。筋肉質な拓真の手が掴むと、折れそうだ。 噛み付くようなキスをして、乱暴な手つきでぐいと陸斗のシャツをめくりあげ、平らな胸をまさぐる。 「んんっ！ んんん…ッ！」 陸斗の躯が震える。無骨な指先が、まだ柔らかい胸の中心をふにふに捏ね回すと、陸斗の眉が寄る。 陸斗。陸斗。陸斗。 獣のように荒くなる吐息を押し殺して、何度も何度もキスをして、戸惑う陸斗の舌を吸い上げる。互いの唾液が絡む。その事実に、堪らなく興奮する。 「は…っ、陸斗…、陸斗…っ」 「っは、た、たくま、ど、どうし、ゃ、やっ…」 （…嫌？） ふつり、と。 最後の理性が灼き切れた。 「お前が煽ったんだろ、陸斗…。こんなに乳首硬くして…俺に触って欲しかったんだろ…こうして」 「んんっ…！」 ぷくんと膨らんだ小さな粒を指先に抓んで、ダイヤルを回すみたいにくりくり左右に捏ねると、陸斗の腰がビクビク震えた。 堪らなくなって、ねっとりと浮き出た肋骨をなぞるように舐め、それから充血し始めたかわいい粒を舌全体で転がした。 「ひ、ぅ…っ、た、たくま…っ」 一度舐めてしまうと、もっと味わいたくなる。ぺちゃぺちゃと犬のように夢中になって、その小さな粒が溶けてしまうんじゃないかと思うくらいに舐め回す。 （陸斗のちくび…陸斗の…） 濡れた舌をツンと押し返す感触が癖になる。何年、こうして陸斗の躯を蹂躙することを夢想してきただろう。 「ンっ…んんぅ…っ」 [＊前] | [次＃] 『雑多状況』目次へ / 品書へ |