キスペット。

06



 ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ…
「──は、はぁ…っ」

 熱い。熱い。熱い。サオや亀頭にばかりキスを落とされている内に、どんどん陰嚢が期待に膨らんで行くのが判る。腰が揺れそうになるのを、鋼の精神で耐える。

 必死で知己の腕を掴み、首を振って意思表示をするのだけれど、「キスだけだよ」と笑われるだけで、なにも変わらない。

「…ァ、」
 とろっ…、

 先端から、なにかが溢れた。屹立にキスを繰り返す知己の唇を濡らした雫がなんなのか、羞恥に襲われて考えたくもない。

「ゃ…っ、ご、ごめんなさい…っ」

 真っ赤になって、知己の顔を直視できず両腕で顔を隠しながら涙声で海晴は言う。制御が利かない。
 知己はただ、笑った。

「良いんだよ。気持ちいい? かわいい…」

 そして、ちろっ、とその体液を舐めた。

「!? っだ、だめです…! っき、キスだけ…!」
「キスでも舌くらい使うだろ? ほら、こことかには…ちょうどいい」
「っあ、あっ…! ッ、っふ…!」

 ちゅっ。と先端に吸い付いたかと思うと、舌の先端で亀頭のワレメをチロチロチロっ、と断続的に刺激される。ゾクゾクゾクっ、と屹立に、腰に、甘い痺れが走って、ワレメから体液が溢れ出る。

 はふはふとうまく息を吸えなくなる海晴に構わず、知己は屹立から垂れ流される透明な液体を吸い上げ、塗り拡げるようにして亀頭を舐め回し、そんなはしたない性器がいかにも愛おしいというふうにキスを落とす。

 海晴の限界は、間もなく訪れた。


「っ、だ、だめ…っ、とも、知己さん…ッ、で、る…出ちゃっ…!」


 腰が浮くくらい、限界だ。ぶるぶる震える腿に、かなり前からそれは判っていただろうに、いつまでも顔を股間から離そうとしない知己に、仕方なく海晴は訴えた。
 しかし相変わらず、聞き入れてもらえない。

「出して良いよ。ハル君の気持ちよくなっちゃうところ、見たいから」
「っゃ、だ、め、だめだめ、ほんと、だめ…っ、ほんと、もう、っ、ッ…! ッと、ともきさ…ッ! だめ、ぁ、だめ、ともきさ、かお…っ、ッ──!」

 だめだと言っているのに、知己は敢えて亀頭へのキスを念入りにして、海晴の声が高くなると同時に、意地悪なディープキスみたいに、ぐりゅっと亀頭のワレメに舌をねじ込んだ。

 ぷちゅちゅっ、と恥ずかしい音を立てて弾けた快感は、知己がすっかり屹立を咥え込んだ所為で、すべて彼の口内へと飛び散った。


「ぁ…ぁ…ぁ、や…ぁ、あー…っ、ぁー…ッ」



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