In the BAVEL 03 「傷つけては、ないな。いいかナナ。おやつはこいつだけ。ちゃんと食事も摂ること。おやつが壊れても補充はないし、食事を摂らなくなったらおやつは取り上げだからな」 季のことなどまるで無視して、男はそのまま平然と立ち去ろうとする。 傍には、ナナがゆらりと揺れたままだ。 「ま、って…くれ…」 「ナナに処理してもらいな。そうするしか楽にはなれねぇよ。ああ、この部屋、自殺防止で4ヶ所くらいカメラついてっけど、まあ外でヤってたくらいだし見られんのも平気っしょ?」 「そ、な…ッ、ゃ、出し…っ」 ひらりと手を振って、無情にも男は扉の向こうへと消えた。 「は…っ、はぁッ…」 恐る恐る、季はナナを見る。 透明で大きなゲル状の液体の中に、いくつもの白い固形が浮いている。その固形が、変幻自在に形を変えることを、季は身をもって知っていた。 ずる、とナナが動く。ひっ、と季は肩を震わせた。 「く、来るな…ッ」 性器が猛っているだけならば、自分で処理できる。 こんな、化け物に頼らずとも。 じゅるるっ 「ひゃあんッ!」 液体が伸びて、季の躯へと絡みつく。それだけの感覚にすら、性器が期待に震えた。 冷たい液体がじわじわと季の体温とひとつになり、ゆっくり焦らすように性器を包む。 [*前] | [次#] 『幻想世界』目次へ / 品書へ |