勝敗

おまけ 02



「おクスリ使って思い切り乱れたらいいんだよ。僕とヤる=めちゃくちゃになる、ってことを躯が理解すれば、次第に躯が勝手におかしくなってくれるはずだよね」

 にこにこと言うカイルの言葉に、恐らく理解は出来ていないのだろうが、何かは直感したらしい。サリの顔が青くなる。

「で、殿下…? それは、どういう…」
「だいじょーぶ。心配しないで。今度こそ調練に集中出来るようにしてあげるからね」

 言って小瓶を取り出すと、サリは目に見えて動揺した。
 最初のときに使ったきりだが、効果は覚えているらしい。

 とろりと指に出して、赤く腫れている乳首、力のない牡、アーサーを咥えて緩んだ蕾に塗りたくる。

「ひぁっ…ぁ、ゃ…っ殿下…これっ…ぁん」
「はい、後ちょっとだけど、残りは飲んでね。次からはもっといっぱい用意しとくよ」

 突き出された瓶を手に取り、かなりの間ためらい、何度もカイルを窺ってから、サリは渋々それを干した。

「っぁ、…あの、殿下…」
「それもやめよう、サリ。ヤるときは、カイルって呼んで。イルでもいいよ」
「そっ! そんな…っ! 私は、そんな、」
「命令はしたくないって言ったでしょ?」
「っ、しかし…」

 ぐだぐだと悩むサリの顎を掬い、キスをする。

「ン…っふ…、ぁ、む」

 かすかに残った薬の、甘いような苦いような味がする。
 熱いお互いの唾液が絡まり合う。

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