勝敗

おまけ 01


 ぱたりと扉の閉まる音。
 カイルはソファでそれを確認して、腕の中で脱力しているサリの乳輪を撫でた。

「っぁ、ぁ…ぁ、殿下…」

 かくん、とサリの膝が跳ねる。

「僕との約束ほったらかして、他の男咥え込むなんて、いい度胸だね、サリ?」

 自分でも驚くほど低い声だった。
 ビクっ、とサリが身体を強張らせ、無意識だろうが、自らの肩を抱き締め、防衛を図る。

「も、申し訳ありません…で、殿下とのことを思い出してしまうと…その…抗えなくて…」

 頬を染めるサリ。ぎゅうと指先に力が篭る。

「ふぅん? 僕との何を思い出したの?」
「っ、その、」

 父に無理を言ってサリを借り、犯した2日後、サリは「抱いて欲しい」と言って来たのではない。生真面目な彼らしく、「なんとかして欲しい」と言って来たのだ。このままではまともに仕事も出来ないと。

 そんな彼に、「1番の対処法は慣れることだ」とうそぶいて、毎日のように躯を開発してやった。
 お陰で今日のようなことになってしまったのだから、カイルも少し反省しないといけない。

「…感度の閾値を上げてしまえばいいんだよね…」

 思いついたことを口に出してみる。

「は?」
「『僕とヤッてるときだけ感じるようになればいい』ってこと」
「ぁ…え…っ?」

 うまく事態が飲み込めず、おろおろするサリに、カイルは微笑む。

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