勝敗

04


 かぁあ、と顔を真っ赤にしたサリにアーサーが一歩近付くと、サリは一歩下がる。

「そういうことですか。相手は誰です?」
「ぃ、…言えないっ」

 どこまでも愚直な師団長は、とぼけるという技術すら忘れてしまったようだ。
 とん、とサリの剥き出しの背中が、壁にぶつかり、止まる。

「調練中、ずっとこうして欲しかったんですか」

 尖った乳首を指の腹で擦ると、高い声を出してサリは震える。
 しかし阻止しようと伸ばした手は、アーサーの腕を掴む直前で止まる。

「…なるほど。相手は王族ですか」
「っ!」

 サリほどの人間が、抵抗したくとも出来ない相手。そうとなれば、王族しかいない。

「どうも…近衛師団の使い方を、間違っている王族がいるようですね」
「はふ…っふ、ゥん…ッ、んっ…」

 クルクルと乳輪をなぞるようにすると、サリは拳を口に当てて、熱い吐息を漏らす。
 程よく筋肉のついた胸を、掌で揉むようにしながら、ツンと誘うように勃った乳首を舌で撫でる。

「ふぁっ! ぁ、ふ…っや、やめ…あ、さ…っぁ」

 がたがた脚が震えているのを見て、アーサーは笑う。
 口を押さえる手を壁に縫いつけ、逆の手で顎を掬う。

「そうです、師団長。俺はアーサーです。抵抗してもいいんですよ? それとも、本当はやめて欲しくないんですか?」

 唇を重ねると、サリは目を見開き、一瞬激しく暴れたが、舌を口腔にねじ込みサリのそれに絡めると、戸惑うように動きが止まる。

――よく調教されている。


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