I want...

07


 ベッドの上で腹這いの天使は腰を突き上げ、両の手で自らの双丘を開き、獣の白い種汁を溢れさせる開かされた蕾をヒクつかせている。

 もちろんワイズがクロウの血に命じてさせている訳で、彼は涙を溜めた目で肩越しにワイズを睨んでいる。


 青い瞳は肉欲に蕩け、頬は薔薇色に上気して雄を煽っているとしか思えないが。


 むらむらと腹の底から情欲が湧き上がるのを感じると同時に、どうしようもなく腹立たしく許せない思いに満ちる。



「『言え』」



「ッぎ、…ッ! っ血、吸わ、れて…っ、首、舐められてぇ、ぐ、ぐぅ…ッ」

 クロウは従属に抗い、必死に唇を閉ざそうとする。

 いつもの事だ。だと言うのに、此度ばかりはギリギリと握り込んだ爪が自らの掌に食い込む。

 だから、よりワイズは意思を込める。言え。…従え。抗うな。…お前は、私のものだ。


「ッ…! 服ぬが、されて…、ッち、こ…っ勃たされてっ…、ッ、ッふ、ぐ…きっキス、させられて、舌、吸わされて…ッッ、ッいっ犬のち、こ…っ舐めさせられて…ッ、ッぎ、ぃ…ッち、くしょ…っ」


 くぱ、くぱ、と晒したままのクロウの蕾から、まだまだ白と透明の狼の体液が伝い溢れる。

 無意識だろうに、ひく、ひくんッと腰が跳ねている。

 ワイズははしたなく悶えながら告白する天使の金の髪を撫で、自らの長大な性器を露出した。

「同じようにしろ」
「ッふざ、っ…ぐ、ち、ッちくしょ…っ!」

 クロウは自らのしかめた顔を跨いで目の前にぶら下がったワイズの性器へと、悪態を吐きがくがく震えながらも舌を伸ばす。

 獣の匂いはしない。密集した毛もない。

 凶悪な肉棒へとクロウは舌を這わせ、吸い付いた。


「んッ…」

(いつもの、…味…)


 融けた脳でそんな事を考えられたのは一瞬。燃え上がるような熱がクロウの瞳から正気を奪った。


「…ッ! っん、んは…ッ、んちゅ…っちゅ…、はぁっ、ぁむ…っァ、ッア、ッア…っぁああッッ!」


 飢えた幼子のようにワイズの性器をしゃぶっていたクロウが、なんと腰をカクカク震わせて絶頂したのだ。

 あまりの情景に愕然とワイズが見下ろす先で、紅潮した顔のクロウはとろんとワイズを見上げながらもまだ性器へ舌を伸ばし、絶頂の余韻に浸りなからも言った。


「ん…は…、ちゅ、…ぁむ…、ッはァ…っ、主人の、ち、ち、こに…っゥ、ぐぅう…っ、ち、こに、ご、奉仕、したら…ん、ちゅ…っ、はむ、ん゙…っ、しゃせ、するよ、に、ッぁあっ!」


 言葉を紡ぎながらも熱心に舌を使い込まれた性器に絡め、唾液を塗り付け、そしてまたクロウの花芯から色のかなり薄くなった精液が放たれた。


「は…っぁ…ゃ、ぁ…、ッは、は、はむ…っ」


 それでも懸命にぢゅぷぢゅぷ音を立て性器を口内に押し込み、搾り吸い、抜く。


「ち、こ、舐めて…しゃせぇ…っさ、さんかい、ん、む…っ、んちゅっ…」
「分かった、もういい。その命令は忘れて良い」


 ワイズの赤黒い肉棒はすっかりクロウの熱い唾液に濡れそぼり、痛い程に張り詰め筋立っているが、あの吸血鬼の従属の命令がクロウの中に残っている事すら許しがたい。

 それに吸血鬼と違って人間はたった数回の絶頂で体力をなくし、意識を失うものだから。

 ワイズが彼の頭を撫でるとクロウは極まり過ぎた躯でしゃくり上げながらワイズの従属にのみ従って喘ぐ。


「はっ…ァ…っぁっ…、け、つ…、犬に、舐め回されて…っはぁ、ぁ…犬のち、ちんこ…挿れられて…、ひく…、ッ、ナカ…ッふ、ぅゔ…ッ」


 言葉を紡ぐ内にその屈辱が蘇ってきたのか、あるいは恥辱に今まさに冒されているのか。

 子供のように青い瞳に涙が盛り上がり、零れ落ちた。

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