I want...

06



 その一瞬に、どくんッ! と秘孔のナカで獣の性器が大きく跳ね、ゴプゴプゴプっ! と大量の体液が注ぎ込まれた。


「ッあ、ゃ…ッ、や、あー…っ」


 一気に現実に引き戻す感覚。体内に溢れた精液を掻き回すみたいに、そのまま狼は再び腰を振りたくり始めた。


「ひぐぅッ!?」

 ぶちゅッずちゅッぬ゙ちゅッぐちゅッ!
 ぐちゅッぶちゅッぶちゅッぬ゙ちゃッ!

「ぁッあっあ…ッや、ッや、め、…ッ!」
「しっかりと着床させねェとな…、狼の交尾はこれからだ」

 グチュッぶちゅッばちゅばちゅッ!
 ぐぼッぐちッぐぽッぐぽッ!

「ぁっぁっ、ゃ、あ゙…ッ!」


(嫌…ッ、ひろ、拡がっ…ッ…! 背中、毛が…っ!)


 狼の性器の根元が亀頭球というこぶのようなものを交尾相手の体内に生み、抜けないようにすることなどクロウに知識はない。

 ただ秘孔の浅いところが強制的に圧し拡げられる感覚があるばかりで、その状態で抽送されるのだから躯は初めての感覚に悲鳴を上げる。

 目の前にちかちかと光が弾け、後ろから突き上げられる感覚に頭もぐちゃぐちゃで。


 助けを求めて手を伸ばしたその時。

 ドン。

 大きな衝撃があって、背中のぬくもりが消えた。腸内を埋め尽くしていた、性器の圧も。


 楔がなくなり、クロウは蹲るようにしてへたり込む。


「ぁ…っ、は…っ? あッ…?」

 引き抜いた、という感覚ではない。
 消失した、というのが1番正しかった。

 痙攣が治らない躯のまま肩越しに振り向いた先に居たのは、…当然のように屋敷の主人・ワイズだった。

 怒りにただでさえ白い顔を蒼白くして唇を引き結び、ほとんど全裸のクロウを冷たく見下ろしている。

 あの大きな黒い狼は、どこにも居ない。

「…っは…っ? っ? あの犬、は…?」
「消した」

「は…っ、はぁっ…、しんだ、の、か…?」

 もう安心して良いのかと、そう聞きたくて告げた言葉だった。

 だが、尚更ワイズの眼差しが鋭く冷えた。


「クドラクがあれしきで死ぬものか。…なんだ、クロウ。彼奴の心配か。狼のペニスはそんなに悦かったのか?」
「ばッ!? ふざ、けん…っはあっ…ッ」

「たくさん注がれたな。いやらしい蕾だ。誰でもいいのか…」
「ッゃ、見ん、…ッひ、拡げんなあ…っ」

 双丘の谷間の、秘孔を両手の指を使ってむにぃ、と拡げられる。


 つい先程まで亀頭球ごと激しく抽送されていたそこは拡げられ、見られるだけでどうしようもなく喘ぐみたいに動き続ける。

 じんっじんっと熱く疼くそこが、とろぉ…っと大量に注がれた獣の体液を垂れ流しているのもはっきりと感じた。


 舌打ちをひとつ。ワイズはクロウの躯を抱き上げ、身を翻した。

 城の扉が大きな音を立て、固く堅く閉ざされた。



   §



「なにがあったか、全て偽りなく言え」
「ッ…見ただろうが…!」


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