淫妖奇譚 肆

10


 2匹の妖怪が間抜けな声を零した瞬間には、双葉のまらは白濁の淫水を吐き出し、法陣へぶち撒け、途端に法陣は肌の下に潜り込むようにして消えた。

 そして。

「うッ、」
「…あーあ、開花したね…」

 途端にむせ返る程の甘い淫靡な香りが庵に満ちた。

 それはもちろん双葉の躯から発せられているのだが、当の本人は絶頂させられた快感の残滓にただ震えている。

「ぁ…っ、は、ぁっ…」

 双葉が絶頂すると同時に当然のようにたっぷりとナカに精を放っていたが故に、荒く息を整える犬神へ、河童は心底呆れた声を出した。

「お遊びが過ぎたよ犬神。呪いを成就させてどうするんだい」
「させるつもりはなかった。こいつが煽るから悪い」
「その子がいやらしいのは既知だろう。見越して祓い時を見誤った君が悪い」
「ぐ…、それよりこの香りはなんだ。…意識が持っていかれそうだ」
「君達嗅覚の強い妖はそうだろうね。私も限界だ。君には私と彼のまぐわいを指を咥えて見ていてもらおう。この『花』を咲かせた反省をしながらね」





「つまり双葉は、『芳華』という体質というか…才能を持った子だったんだよ」
「…っあ、ぁ…ッ、ゃ、ゃだぁ…っぁ、ぁんぅ…ッ」

 凶悪な太さと長さに育った河童の緑色のまらが、双葉の訴えを無視してゆうっくりと背面座位で菊座に埋められていく。


 ぐちゅうぅう…

「ぁっぁん…つめた…、は、ぁ…っ」


 河童自身の全身を覆う粘液の助けもあり、恐れるほどの痛みはないのが余計に双葉には怖いのだが、川の神は一切頓着しない。

 目の前では、伏せて寛いだ体勢の犬神がいてじっくりと見学しているのだから尚のこと堪らない。その股間のまらが毛の間からしっかりと勃起しているのも双葉の羞恥を煽る。


「妖も陰陽師も、名の通り陰陽の気が大きく影響する。主に男は陽の気。放つ力であり、祓う力。逆に女は主に陰の気。容れる力であり、使役する力が強いとされるが…もちろん、どちらか一方だけの存在なんて居ない。この陰陽の割合によって偏りが出るだけの話だ。…本来ならね」


「ッま、待って、もぉ、もぉむり…!」
「大丈夫大丈夫」

「ひぁっ!? ぁっゃん…っや、あぁあ…っ!」


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