淫妖奇譚 肆

09


 双葉が驚くよりも先に、より驚愕することをその神は言った。


「感じるだけじゃなくて、こっちの躯もちゃんと動くんだ。ぱっくり君のナカが丸見えだよ。真っ赤に熟れてて、てらてら光っててヒクヒクうねうねしてて、私も挿れたくなる」


 そう。意思の関与しない部分の動きは『躯』と連動してしまう。

 『魂』の双葉の菊座は、なにも咥えさせられていないのに、ぐぱぁ…と大きく拡がって、犯されている肉壁の様子をすべて曝け出していた。


(ぃっ嫌あッ!? み、見るな、見るなあ!)


 身を捻り逃げようにも、『魂』の方も、菊座を太いまらが貫き交合している快感が全身を支配している状況であり、まともに四肢は動かない。


「ああ、ナカがきゅんきゅんしてる、そこを突かれてるのかな? 気持ちいい? とっても誘われるね、これは」

 ずちゅっ、ずちゅっ、ずちゅっ!

(ぁっア、ゃ、やだ、っは、はぁっ、あっあっ!)

「あッあんッ、あっもっと…ッ! 犬神、もっと奥まで突いてぇ…ッ!」


 『躯』の双葉、もとい邪気はさり気なく自らのまらを握り扱き、陣に向けて子種を噴射する準備をしている。
 犬神は小さく笑った。


「悪いがそこの河童の言う通り、我が主はもっと口が悪くて素直でない奴でな。それを捩じ伏せて啼かせるのが好いのだ。元より見境のない牝犬ではつまらん。──去れ!」


 鋭い妖気が咆哮と共に弾け、双葉の声とは全く違う嗄れた断末魔がして『躯』から邪気が抜け飛ぶと同時に『魂』の双葉がその勢いのままずるりと躯に引き込まれた。


 ぱち、と双葉が瞬いたときには、ずっぷりとまらを菊座に咥えさせられ、自ら大きく股を開いて、初めて犬神と正面からまぐわっているのが分かる視界が広がっていた。
 己に覆いかぶさる、長い毛足の四つ足の獣。狗とまぐわっている事実。

 かぁああッ、と一気に頬に熱が上がった。


「ぁ、ぃっ嫌、犬神、はや、はやく抜いて…!」
「ん?」
「ま、前…っ、前から…ッ、は、恥ずかし…」
「なにが違うのだ、今更」
「ゃあ…っ、だっ、だって、か、顔見られる、だろ…っ」


 顔を腕で隠しながら悶える双葉に、けれど、ぐん、と菊座に埋まった犬神のまらが更に膨張した。
 その膨らんだ部分が丁度、双葉のイイトコロをごりゅん、と押し潰して、


「あっあッ!? やッ待っ…! だっ、だめッ…! だめッ嫌ッ、待っ…! ゃあぁあ…ッ!!」

 びゅくびゅくッ、びゅるっ

「あ」「あ」



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