淫妖奇譚 肆 05 「はぁ…っ、ぁん、いい、もっと…ぉ」 (う、るさいお前黙れ…! っは、ぁっ、んっ) ぷるんぷるんと『魂』の乳首がひとりでに縦横無尽に動き、熱く濡れた感覚に嬲られる。薄い、犬の舌の感触。双葉がよく知る──。 ぞくぞくと快感が腰にわだかまり、むずむずとまらに甘い痺れが走る。 ハッハッハッ、と興奮した犬のぬるい吐息が、双葉の顔をした邪気の胸にかかるのを斜め上から見下ろしつつ、その感触は己の胸にも確かに感じる。 犬神の後ろ足がぐりぐりとふぐりを踏み締め、刺激を与え続けて来る感覚も。 「お前がココが好きだったとは知らなかったな」 べろべろと乳首を舐め回し、牙の先で器用に引っ掻く。腰に快感の痺れが走って、 (ふ、ウっ…!!) 『魂』の双葉は咄嗟に両手で口を押さえたのに、 「ッあぁん…ッ! 好き、それすきぃっ…!」 『躯』の双葉は下布にまらを擦り付けるようにして激しく腰を振る。 (ほ、ほんとお前黙れ…ッ!) どうせ誰にも聞こえない嬌声ではあるが、己にも男としての矜持がある。ふーっ、ふーっ、と指の隙間から熱を逃がして、双葉は涙目で『躯』を睨む。 犬神はにぃと意地悪く口角を上げた。 「こんなに素直に啼くなら、たまには呪いもいいな」 (いい訳な…ッぁあっ、ぁっぁんッ…!) 小さな突起を求められるままに犬の舌が舐め続け、勃起して硬かったはずの乳首はまさに溶けて無くなってしまいそうなくらい犬神の唾液でふやけさせられて痒くて堪らない。 「はぁん…っ、いい、犬神ぃ…っ、お願いだ、こっちも、早くぅ…っ」 (やっやめっ!!) 蕩けた表情で『躯』の双葉がカリカリとそのふやけた乳首に爪を立てながら、遂に下布を自らはらりと解いた。 まらは赤く腫れて屹立し、粘った体液を先端の孔から垂れ流していて、『魂』の双葉は赤面したまま絶句した。もちろん『魂』のまらも同じ状態にさせられているのだから。 『魂』の下布もぱさりと綿入れの上に落ちるが、もちろん犬神が気にする様子もない。 「お前のココは相変わらず堪らん香りだな…正直、このときばかりは嗅覚が鋭くて悦楽と感じる」 (いッ!? いつも匂い嗅いでたのかお前!?) 「ぁん…や…もっと…もっと嗅いでぇ…」 (ほんとにお前ふざけるな黙れ!!) ツッコミが追いつかない。 [*前] | [次#] 『幻想世界』目次へ / 品書へ |