籠絡

03


 肩を掴んで膝の上に乗り、口付ける。驚いて硬直したサリの下腹部に硬くなった牡を擦りつけると、さすがにカァと赤くなった。
 きつく閉じた唇を無理にこじ開けることはせず、ただ啄むように何度もしゃぶる。

「ん…っん、ん…っ」

 鼻から抜けるような声をかすかに漏らし、サリが震える。抵抗したいのを、懸命に耐えている。王族への反抗は、当然国逆罪だ。
 ただそれは、恐らく今は適応されないだろう。
 それでも耐えるサリの愚直さを見越しての行動だ。カイルはその愚直さが嫌いではない。

 唇を解放すると、潤んだ眼でサリが訴える。

「で、んか…っ、何、を」
「判るでしょ、サリ」

 サリには王の相手をしているという暗い噂がある。カイルはそれが当然でたらめであることを知っていたが、辱めることにする。

 サリはカイルの肩を押し返すこともできず、ソファの背もたれで腰を引くこともできず、カイルの牡の感触にただ身悶えした。

「父上ともシてるんでしょ?」
「なっ何をおっしゃっているのか…っ判りません…っ。殿下っ…ん、く…っお戯れを…っ」
「戯れなものか。戯れで勃起するほど淫乱じゃないよ。本気だ」
「でんッ…」

 抱きつくとサリが絶句する。服越しとは言え密着したカイルの牡が弾けたのに気付いたのかもしれない。ぶるりと快楽にカイルは躯を震わせた。

 手をサリの胸へ滑らせる。思う突起は見つからず、焦れてカイルは裾から直に手を差し入れ、乳首をこねた。

「殿下…っ、お戯れを…ッ」

 ようやく勃ち上がった乳首は、しかしさほどの快楽をサリに与えていないようだ。再び頭をもたげるカイルの牡と違って、サリの股間は大人しいままだ。

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