What is...?

07



「私が望むことを君自身で考えて行え。私の気が向けば絶頂させてやろう」
「はあっ…! はあっ…! ふざ、けんな、変態…」
「私は構わないが? 君に関係なく、私は君を好きにする。ただ君が自発的に動かない限り、君は快感を吐き出せず気が狂うだけだ」
「っ!」
「さあクロウ。私は君の愛液でべとべとに汚れた花芯を味わいたいのだが?」
「くっ…!!」

 どうする? と肩を竦めてワイズが聞く。

 未だ絶頂できなかった快楽の余韻に腰がくねる。嫌だ。でもそれ以上に堪らなく、イきたい。あるいは時間稼ぎをすれば、従属の命令は解ける。
 じりじりと躯を捻り、ゆっくりと向かい合う。

「…、え、」

 ぴくりとも動かないワイズに、クロウは素直に首を傾げた。ワイズは意地悪く笑って見せた。

「私の口はそんな場所にはない。私に味わって欲しいなら、私の口許に自ら差し出すんだな」
「あ、ッ!」

 味わって欲しい訳はない。絶句するクロウに構わず、ワイズは長い指でその膨らんだ先端を撫で掠めた。

「ひぁんっ…!」
「立て」

 端的な命令。ただし、従属の束縛ではない、ただの音。だからこそクロウはがくがくと膝を震わせながら立ち上がり、憎い吸血鬼の唇に屹立した性器を近付ける。

 その背徳的な光景に呼吸が乱れる。充血した亀頭からはトロトロと愛液が滴って、ワイズの口許に垂れて。
 ワイズが、それを舐め取った。

 ぞくんッ!

 触れてもいないのに腰に稲妻が走り、つん、と唇に当たる感覚と同時に、ねっとりと紅く長い舌が性器の先端を絡め取った。

「ぁッふ…!」

 ぬ゛る゛ぅ、とくびれたカリ首を包み、先端のスリットに舌先をねじ込むようにえぐる。

「ぅあ…っ、ぁ゛ッ…ひあ…っ」
「腰が引けているぞ。君が、私に、味わってもらいたいのだろう? クロウ」
「ん、んんぅ…ッ!」

 さすがに膝を伸ばすと高さが合わない。膝を曲げて、股を開くはしたない格好でベッドの上に立ち、座る男に性器を咥えてもらえる位置を維持する。
 物理的に無理の掛かる姿勢であるのも相俟って、すぐに離れてしまう距離へ懸命に腰を突き出す羞恥に、顔から火が出そうだ。

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