Mother's Milk

04



「おいしい? フェイ」
「…ん」

 素直に好きな味だ。フェイが肯くと、ガランは嬉しそうにぎゅうとフェイを抱き締めた。
 もういい加減に抱かれるのには慣れたが、どうにも様子が変だ。

「…なに?」
「えへへ、それね、人間のほるもんに影響する果物なんだって」
「ッまた?!」

 休ませて欲しいと言ったはずだ。それなのにまた精の生成を促すものを与えるとはどういうことだろうか。
 思わず叩きつけようとした果物を、ガランが慌てて受け止める。

「だ、ダメだよフェイ。食べ物は大切にしないと」
「うるせぇ! ひとの躯、好き勝手にいじりやがって…精霊っつっても、もう我慢できねぇ…」

 フェイの住んでいた集落では、精霊は万物に宿り、全てを司る存在だ。だから必ず敬い崇めなければ災いが起こるとされていたが、フェイは十二分に災いを受けた。
 彼の豹変に慌てた様子のガランは、子供達が起きていないかを確認してから、

「大丈夫っ!」
「! てめっ、」

 そう言ってフェイを抱き締め――腰の蔦で、フェイの両手を拘束した。ぐいと腕を頭上にまとめられた所為で突き出す格好になった平らな胸に、ガランはするりと指先を這わせる。

「ッ、ん…っ、な、やめ、触るなっ…!」

 けれどフェイの抗議を全く聞き入れることなく、ガランは掌でフェイのない胸を揉むような動きをした。そして時折、乳首を摘まんで引っ張り、更には口に咥えて吸い始める。

「んぁ…っ、ば、莫迦、だから、俺は…っ、ンなとこから、なにも…っ、?!」


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