Mother's Milk

02


 ちぅちぅと音を立てながら尿道に残った分まで吸い上げる子供達に、この3日、フェイはただただひたすらに翻弄され続けていたが、もう限界だった。

 3人の子供達が各々満足して眠りについて、ようやくア○ルから蔦も抜かれて、フェイはぐったりとガランに躯を預ける。

「はー…っ、はー…っ、はぁっ…」

 涙腺が壊れてしまったみたいに、ぼろぼろと大粒の涙が止め処なく溢れて、よしよしとガランがそんなフェイの頭を撫でる。

 これで今日の分が終り、ということではない。浅い眠りから覚めるとすぐ、子供達は再びフェイに群がってくる。


 何度逃げようとしたか知れない。


 だが、その度に古代樹の精だというガランに呆気なく捕まって、「フェイはすぐ迷子になるね」と笑われ、3度目の逃亡の際に細い蔦で住処の傍の樹木と右の足首を繋がれてしまった。

 その蔦には十分な長さがあり、しなやかでフェイを傷つけることはないが、フェイの力では決して解くことが出来なかった。石に擦りつけても、傷ひとつ付かなかった。

「も…、もう…ほんと、無理…、ガラン…俺、壊れる…」
「うぅん…子供達、ホントによく飲むもんね」

 にこりと眉尻を下げながら笑うガランに、悪意はまるでない。フェイにはそれが判るからこそ、恐くてたまらないのだが、その恐怖が彼に伝わることもないようだ。

「頼む…少しでいいから、休ませてくれ…」
「んー…あ! 判った! じゃあフェイ、ちょっと待っててね! ご飯取ってくるね!」

 フェイの率直な懇願に、突然ガランは顔を輝かせると、フェイと子供達を残して、森の中へと消えた。

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