淫妖奇譚 弐

07


 ずるずると双葉はそのままへたり込む。自らの身に起こったことが、まだ認められなかった。

「ぁはっ…ッは、はぁっ…はぁ…ッ」

 躯が痙攣する。乱れた息が整わない。気怠さと、その直前に感じた爆ぜるような快感だけは、判る。

 する、と犬神が傍に寄って来て、「愚か者が」呟いた。
 そして、双葉に飛び掛って押し倒すと、絶頂を迎えたばかりの敏感なまらを、白濁を全て舐め取るようにしてねぶり始める。

「ちょッ! ぁはッ! はッ! ぁあんッ! ま、っひ、ひゃああんっ!」

 べちゃべちゃと音を立てて、狗の薄い舌がまら、ふぐり、菊座までも、丁寧に舐め回す。
 再び抗えない快感の渦に落とされて、双葉は声を抑えようと口を両手で塞いだ。

 それが、以前から犬神に気に食わない仕種であることなど、双葉は知るはずもない。
 涙を流して震える双葉に命じて、狗が交合しやすい四つん這いにさせ、すぐさま腰に乗りかかった。

 ぬるッ、と犬神のまらが菊座の表面を撫でて、「ひゃぁんっ」思わず双葉は背を反らせて啼く。
 そうして顔を上げたとき、起き上がった天井嘗と、逆柱の隆起の木目が、双葉達を眺めていることに気付いてしまった。

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