淫妖奇譚 弐

06


 まらに潜った触手と、菊座を割った舌が、双葉の躯の奥の秘所を、前と後ろから同時に押し潰し、攻め立て始めた。
 強過ぎる快感と、出口を堰き止められて募る一方の欲望に、双葉はむせび泣いた。

「ぃぁああッ! あぁッやッ壊れっ…!!」
『双葉! 私を喚べ!』

 胸の内から犬神の声がする。それは確かな力を持って、混乱の極みにある双葉に働いた。


「ぁひ…っひ、ん、ん…ッいぬ、がみぃ…ッ!」


 喚び声と同時に、上半身は着衣したままの双葉の胸から、ずるりと毛足の長い茶色の巨狗が飛び出した。

 改めて双葉の痴態を見て、犬神はグルルと喉を鳴らす。

「度を越えて乱されよって…だから最初から喚べと言ったろう」
「ぁふッ…ぁ、あ、ああッ! そっそこッ! そこだめっ…嫌ぁあッ!」

 犬神に対して言ってやりたいことはあったが、再び秘所を前後から押し潰され、わだかまる熱に狂いそうになる。
 ちッ、と犬神が舌打ちをして、

「貴様ら、調子に乗るな! それは私のものだ!」

 腹の底まで震わすような、咆哮を上げた。
 そのあまりの妖気に、触手と天井嘗は部屋の隅まで吹き飛ばされ、つまり当然、無理やりにまらや菊座を満たしていたものが引き抜かれた。

 じゅるるるッ!
 ぢゅぽぉッ!

「ひぁああ! やッあぁッああ――ッ!!」

 びゅくびゅくッ

 激しい刺激と共に押さえがなくなり、脱がされた袴の上に白濁が飛び散った。

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