淫妖奇譚 弐

03


 ふぐりを擦り、まだ柔らかなまらに絡みつき、双丘の谷、菊座の上を這い回る。
 すべすべしていて自在に動いているが、木肌の堅さも確かに感じる、なんとも言えない触手だ。

『双葉!』

 犬神が呼ぶ所為で、頭の芯がぼやける。莫迦狗、と罵りたいのは山々だったが、

 ぶぢゅッ、
「ひぁあ?!」

 触手の先から、ねばつく液体が菊座に向けて吐き出され、双葉は以前の恥辱を思い出す。

「ぁ…ッ、い、嫌っ…ちがう、お、お前を祓い消すつもりは、あぁあッ!」

 必死の訴えも虚しく、細い触手が菊座を割った。1本が潜ると歯止めが利かず、じゅぷじゅぷと濡れた音を立てて、次々に触手が双葉を犯す。
 ばらばらにくすぐられるようにして内壁を掻き回されて、堪らず膝を折った双葉の手足を、更に別の触手達が捕らえる。

『双葉、喚べ!』
「ひぁッ! ぁっぁっ、だ、めぇえっ!」

 細い触手が菊座を行き来して、徐々に双葉は自らのまらが昂ぶっていくのを感じた。

「ひぅ…ッう、ぁ、あ、あぁっ、ひ、ぃんッ…やッ…だめっ…!」

 犬神の言葉にも応えられない。

 どん、と背を押され、双葉は逆柱に上体を預け、尻だけ突き出すような格好にされる。
 驚いて振り向くと、手首を放した天井嘗が、双葉の袴を解いているところだった。

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