犬が尻尾を振るとき

04


 ぺたんと頭の上の耳が伏せているのが、見なくても判る。

「四つん這いになってごらん、シラ」
「は、…ぁん…っ、は、はい…ご主人、さま…」

 名付け親たる主人の命令は絶対だ。生きていくためには、それしかない。

 望まれるままに、這いずるようにして犬のような体勢になる。
 すると尻尾が勝手に上がって、曝け出された蕾を2匹に貪るように攻められ、ガクンと上体が崩れた。

「あぁあッ! 嫌ぁあっ! いやぁっ!」

 腰がぶるぶる震える。
 双丘を突き出すような恥ずかしいポーズで、蕾を犬に舐め回されて、何故こんなに――感じてしまうのか。
 思ってシラは泣きたくなる。

 そんな心境を汲んだのか、ガラス越しで男は冷酷に言った。

「犬に攻められて感じることを恥ずかしいと思うことはない。君の躯は最早、犬や狼と同じなんだから」
「そん――っひ?!」

 ぬ゛るっ

 否定しようとしたとき、犬がシラの背に覆い被さり、蕾に確かな質量を感じた。

 ぬ、ぷっ…
「ひッぃ…っ嫌ぁ…ッ!」

 ハッハッハッ、と荒い呼吸が背後で聞こえる。

 ぬぷ…ッ、ずぷぷっ
「――ッ!」

 熱い塊が蕾を押し開いて、ゆっくりとシラの体内へ埋まっていく。
 ナカを擦り上げられる感触に、ぞくぞくと躯を侵す感覚に、シラは拳をきつく握り締め、涙を流して耐えた。

「っく…ぅ…ッ!」
――きもち、よくなんかっ…!


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