犬が尻尾を振るとき

03


 まだ麻酔があるらしく、脚に力が入らない。
 犬はじゃれるようにシラの耳を舐め、腕に身体を擦り寄せた。
 時折硬く熱い犬達の性器が肌に触れて、シラはただ困惑する。

「ご、ご主人さま、ぼ、ぼくはどうしたら…っ?」

 男はにやにやと腕を組んだ。手を出すつもりはないと、ポーズで示している。

「仲良くシたらいい。見ているから」
「な、仲良くなんて、判りません、どうし――ひゃんっ?!」

 男の方に向けていた顔を慌てて戻す。
 2匹の犬が争うように、シラの股間に顔を埋め、性器や双球、蕾を舐め回しているのだ。
 長く薄い舌の感触に、ぞくぞくぞくっ、と腰に痺れが走る。

 ぱたぱたと尻尾が床を打つ。

「ぅあぁっ、いやだッ! 恐いっ、恐い…っ! たす、助けて下さっ…ご主人さまぁ…っ!」

 必死にもがき、男へ手を伸ばすが、当然届きはしない。男も、動かない。

「大丈夫だよ、シラ。じっとして、その子達に任せてごらん」
「うぅ…っ、で、でも…ッ、あ、あぅ…ん、…っは、…はい…」

 そんなことは耐えられそうにもなかったが、シラは奴隷である自分を、忘れられなかった。

 いつ性器を噛み千切られてしまうのではないかと怯えながらも、きつく目を瞑り、されるがままになる。
 荒い吐息が唾液に濡れた股間を冷やす。
 ベロン、ベロンと弄ぶように舐められる度に、ぷるん、ぷるんと性器や双球が揺れる。

「あぁッ…! う、ぅ…っ」

 気が狂いそうだ。


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