前述。

07



「待ってろ、今助けてやる――!」

 広垣が緊急用の電話に手を伸ばす。だが、ネオの縒り集まり太くなった触手が、唸りを上げて広垣の身体を、横薙ぎに払い飛ばした。
 ドタンッ! と音を立てて、広垣が壁に激突する。

「ッが…!」
「っひろがき…っ!」

 うずくまる広垣に、触手が振り上げられる。慶壱は四散しそうな意識を掻き集め、触手を掴んだ。

「やめろネオ!」

 顔の前で、別の触手がうねる。『イイエ』。
 下半身へのピストンが速まる。再び目の前が白く弾けた。

「ぅああっ! あああッ! ね、お…っ! はぁあんッ! ん、ぁあッ、ゃ、怒っ、て、…る…っ?」
 『イイエ』。

「おれっ、あっあっ俺のこと、きらい…? ッ」
 『イイエ』。

「じゃあッ、あッあぅッあぅうっ、ぁ、だめ…っ、ぁ、じゃあッ! 言うこと、聞けよぉ…ッ!」
 少しの沈黙。『…ハイ』。

 広垣に振り上げられていた触手が解け、細いそれに戻る。

 安心したのも束の間、更にナカと性器への攻めが激しくなり、痛いほどの快楽が襲った。
 蕾には一体何本の触手が潜っているのか。尿道でどんな動きをしたらこんなに性器が跳ねるのか。

 卑猥な水音と自らの上げる嬌声に聴覚は支配され、全身隈なく触手が撫でるだけで躯の芯からの熱が迸り、達したい欲が募る。

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