Welcome!! 02 広い食堂は、それでも多くの生徒でごった返していた。片付けに手間取り、夕食開始時間より少し遅れた為に、帰る奴や入る奴が入り乱れている。 「メニュー見て、並んで小母さんに言って待つだけなんだけどね」 案内しながら博也はカレーのセットと焼き魚の定食を注文した。 「『転入生は初めにカレーを食べろ』って決まりなんだよ」 困ったような顔で博也が言う。好きだから構わないと周は軽く返事した。 それよりも初めて来る場所にどきどきする。色んな奴がいる。楽しみだ。 きょろきょろと視線をさまよわせていた周に、博也から「はい」とカレーとサラダの乗ったトレイが渡される。 「ぁ、ありがと」 「初めまして、転入生っ! 俺、朝井ー」 ぼけっとしていたら、近くにいた奴が突然声を掛けてきた。 「あ、ぇ」 「朝井朝井。同じ学年だよ、よろしくなっ」 「ぁ、俺、衣上。よろしく」 朝井のテンションにややついていけず、それでも嫌な感じは受けなかった。 当の朝井は同じテンションのまま、博也に向き直った。 「委員長、今回は何時から?」 「8時からにしようかなと」 「了解っ、皆にも伝えとく! 俺、今回かなり楽しみッ!」 「僕も」 用事はむしろ博也に対してあったのだろう、見るともなくそのやりとりを見ていたら、朝井が去ったあと、博也が笑う。 「僕、学級委員長なんだよね」 「へぇ、」 「さ、食べよう? 冷めちゃうよ」 [*前] | [次#] 『学校関連』目次へ / 品書へ |