Welcome!!

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 元々通っていたのが身にそぐわないほどの金持ち校だった。
 母の都合で転校することになった先は、その学校の姉妹校なのだという。
 母の都合――再婚に振り回されるのにもうほとほと嫌気がさしていた周は、任意である寮に自ら望んで入った。

 授業に先駆けて寮に入ると、ルームメイトの博也が丁寧に説明してくれて、安心した。

「判らないことがあったら、なんでも聞いてね」

 にこ、と笑う糸目のルームメイトに、周も笑顔を返す。

「ありがとう、早生」
「博也でいいよ。僕、自分の苗字あんまり好きじゃないんだ」
「判った。じゃあ俺も周で」
「僕、端数でひとりだったから、ルームメイトが来てくれて嬉しいよ。よろしくね、周」

 にこにこと笑顔のままで告げる博也に、周も肯いた。

 ルームメイトと言ってもドアからすぐが共有スペースで、左右にプライベートスペースがあるような部屋の構造だから、ふたりになってもさほど窮屈ではないのだろう。
 相部屋だと聞いて拒絶されたらやりにくいなぁと思っていた周にとって、実に気楽なスタートだった。

「荷物片付けたら丁度夕食だと思う。一緒に行こうよ」
「あ、うん。ありがとう」
「夕食終ったら、共同施設を案内してあげるね」
「ありがとう、助かる」

 いいんだと手を振る博也に感謝しながら、周はプライベートスペースに入った。

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