君が判りません・後篇

08


 後藤は俺をフローリングに押し倒し、片方の乳首に吸い付き、片方の乳首を指で抓み、更に空いた手でバイブを握り、

 ぐちゅっ、ぐちゅゥッ、
「あっあぁああぁんッ! やぁあっ、だめ、だめぇッ!」

 動いたままのそれを、ピストンし始めた。
 俺がめちゃくちゃに悶える度に、俺に跨った後藤の性器が、俺の性器に擦れる。

 バイブのモーター音と俺の嬌声と、卑猥な水音が部屋に満ちる。

 泣きじゃくりながら、俺は背中を弓なりに反らし、後藤の腕を掴んで、

 ビクンッ!
「ひゃあぁあッ! やっ来るッ! くっ、あっあぁあぁんッ!!」
 ビクビクビクビクッ!
「はぁああんッ…ひ、ひくっ、ひ、や、だぁ…っ、おかひ、おかひくなるぅ…っ」

 何度も、『空イキ』、してしまった。

 上を向いたままの性器がつらいが、もはや俺は、こんな痴態を晒していることすら理解出来ていなかった。

「ひぅッ…ご、ごと…も、やだぁ…っう、ひくっ、それ、やめてぇ…っ」

 いやいやと頭を振りながら言っても、後藤は楽しそうに俺を苛み続けた。

 『空イキ』というのは、射精の快感がずっと長く続くもののようで。
 つまり、それを何度も経験した俺は、精神的にも体力的にも、既に限界だった。

 ぐちゅうッ、ぐちゅっぐちゅっ
「ぁ、ぁ、ぁ、ぁっ」

 だから俺は、熱に浮かされるままに、動いてしまった。

 乳首をしつこく吸い続ける後藤の頭を掴んで、自分の方を無理矢理向かせて。
 涙ながらに、懇願した。



「あ、ひくっ、あ、あいしてる…っ」




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