君が判りません・後篇

07



「ひっ、ぅ、うぇッ…や、やだ…やだぁ…っ」

 躯の震えは治まらず、俺は後藤に抱きついたままで、その快感の強さにむせび泣いた。
 躯中を掻き回すような快感が続いているのに、いつまでも下半身の熱が消えない。

「ごとっ…ごとぉッ…ゃだ、やだ…こわぃっ…なに…ぃやだ…っ」

 完全に俺は自失していて、初めての出来事にただただ後藤に縋る。
 後藤は俺を抱き締めながら、いきなり俺の性器を握ってきて、

「ぁんっ!」
「…先生、空イキしちゃった…?」
「ッふ、ぅ…、から、いき…?」

 無意識に腰を揺らしながら、俺は後藤の顔を見る。少し上気しているように見えた。
 しゃくり上げる俺の背中をさすりながら、後藤は真面目な顔で言う。

「射精せずにイくことだよ。オンナみたいにね。ほら、先生のち○こ、先走り以外出てないよ」
「っう、嘘…っ!」

 言われて見ると、俺と後藤の勃起しきった性器は、凄い量の透明な液体でぬらぬらと光っていたが、そこに白濁はなかった。

――あ、あんなに、イったのに…。

 その情景に、耳まで赤くなる。
 まだ快感の残滓は躯中に残っていて、涙も連動するようにぼろぼろ零れる。それもそのはずだ。俺のナカにはまだ凶悪なバイブが身をくねらせているのだから。

 不意に、後藤が俺の涙を舐め取ってにやりと笑った。

「空イキしちゃうくらい感じちゃった? すっごい気持ち良かったでしょ。もっともっと、気持ち良くしてあげる…」
「ふぁ?! あッごとッ――!」


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