君が判りません・中篇

08



 ヴィイイイイイイ!
「ひゃああぁあ?!」

 バイブが再び暴れ出す。しかもさっきまでのくねる動きではなく、全体が細かく振動する、ローターのような動きに変わっている。

 俺の腰はガクガク揺れて、俺の性器は棒の振動に合わせてぶるぶる震えて、俺の理性は今度こそ吹き飛んだ。

 ヴィイイイイイイ!
「ぅあぁああっ! ッひ、ぐぅううんんッ! んんんゃぁああ! あああッ!」

 何度も何度も、スイッチを切ってしまおうかと手がバイブに伸びる。
 いくら後藤でも、たかが一介の高校生が、部屋中に隠しカメラを仕込んでいるとは考え難かった。

 でも、その一方で。

 後藤だからこそ、やりかねないとも思うから、俺は結局スイッチを切れずにいた。
 これより酷い仕打ちなど、何があっても受けたくなかった。

「あぁあッ! あぁああ! あっあっごと…ッごめ、ごめ、なさっ…あぁんッ!」

 泣き喚き、ひたすらに謝り続ける。バイブは、止まらない。

 その後しばらく俺を狂わせたあと、またバイブがピタリと止まった。僅かな小休止。俺は次が始まるのではないかと、戦々恐々で待った。

 そしてそれは、的中する。

 ダッダッダッダッダッ!
「あっあっあっあぁッ! あっいやぁっ!」

 今度は力強く叩きつけるような振動が、俺の性器を襲う。

 こうなればもう疑う余地はない。このバイブは自動でモードを切り替えるタイプのもので、後藤はいるにせよいないにせよ、『お仕置き』を遂行するつもりだ。

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