君が判りません・中篇

07



「あっあっあっ、ひッ、あッあッご、ごとっ…?!」

 ベッドに転がって喘ぐ俺にばいばいと手を振って、こともあろうか、後藤は出て行ってしまった。
 追いかけたくても、性器からビリビリ走る電撃のような感覚に、俺は立ち上がることさえ出来ない。

 ヴインヴインヴインヴイン!
「ひぁあっ、あぁッ、あァんッ! あっやっやだ…ッやだ…っごと…ごとぉっ…!」

 閉じたドアに向けて必死に呼びかけるが、音沙汰はない。
 思考がぐずぐずと溶かされ、俺はシーツを握り締めて泣きじゃくった。

「やっあぁんッ! あんッあんッ! ヤっ…あっやだぁあ! ごと…ッたの、頼むからっ! ッやぁあっ!」

 帰って来て。
 助けて。
 わるかった、から。

「ごっ、ごめんっ! ああッあッあっあっ、ごめ、あぁんッ! ごめ、なさ…っ! も、も…ッ約束なんか、しな、からぁっ!」

 この『お仕置き』の発端は、俺が廣瀬とふたりで会う約束なんかしたからだ。
 それに対して後藤は怒り、俺は反省なんかしていなかった。だが、こんなことになるなら。

 そう思ってとにかく謝り続けていると、ピタリと突然俺を苛み続けていたバイブが止まった。

「ぁふっ…? ぁ、はっ…はっ…ぁ、ご、ごと…?」

 実はバイブは無線式で、ドアの向こうに後藤がいるのだろうか。
 俺は期待を込めてドアを見つめた。けれど、しんとした部屋には俺の荒い吐息と、ベッドの軽いスプリングの音しかしない。


 そして。



- 63 -
[*前] | [次#]

『学校関連』目次へ / 品書へ


 
 
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -