君が判りません・前篇

04


 ヌルヌルする舌が、しつこく先端を刺激してくる。腿がビクビクと跳ねてしまう。

「ぅあ…っ、ぁ、ぁ、ゃ…ッ、ぁふっ…ん、んぅ…ッ、やめ、…嫌だ…」
「昨日はヌいた? 先生。 今日の朝は? 朝勃ちしてた?」
「す、するか…っぁ、ぅンッ…!」

 毎日イかされ続けているのだ。たまの休みくらいはゆっくりしないと、体力が持たない。

「俺は大変だったよ。先生の写真でヌいてたけど、やっぱナマがいいよね…」

 じゅるじゅるっ!

「ぅあ! ぁ、ぁッ!」

 きつく先端を吸われて、背が弓なりに反る。冷たい廊下の床が、ここは学校ではないのだと思い知らす――本来なら、学校でこんなことをすることこそ、おかしいのだが。

「ぁは…っ、はぁ…ッ、ぃ、やぁ…だめだ、そんな、ぁ、あっ…!」

 れるれる、と後藤は構わず半勃ちの俺の性器を舌先で刺激し続ける。そんなことをされたら、どんどん硬くなってしまう…。

「はぁんっ…ぁ、や…ごとぉ…っ、ンっ」
「…先生って、ダメとか言いながら、絶対俺を煽ってるよね?」
「そ! そんなことッ!」

 真剣な顔で言われて、俺の頬は真っ赤になった。
 正直なところ、自分が何を言っているか、判っていない。

 後藤はじっ、と俺の顔を見つめたあと、腕を引っ張って無理矢理立たせ、歩き出した。
 足首に絡んだ衣類にもたつきながら、俺はわけも判らず連れられる。

 ここで。
 この時点で。

 俺はもっと、抵抗すべきだったのだ。必死になる、必要があった。

 連れて行かれたのは、寝室。薄暗い部屋に、シングルのベッドと家具。当然、後藤のものなのだろう。

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